シーズン到来!! プロが指南するスタッドレス選びで絶対に覚えておきたい3つの知恵

 スタッドレスタイヤって何を基準に選んだらいいのだろう? 安心の性能は欲しいけれど価格を無視することはできない。最新のタイヤが最高の性能を持っていることはわかっているけれど、気軽に買えないところが難しいところ。

 ということで、新規購入&履き替え前に知っておきたい、失敗しないスタッドレスタイヤ選びのポイントを3つ紹介したい。

文/斎藤聡
写真/編集部、Adobe Stock

【画像ギャラリー】これからのシーズンには欠かせない! スタッドレスタイヤの絶対覚えておきたいポイントをおさらい


■生ものだから気を付けたい! タイヤの保存状態の見極め方

 まず知っておいてほしいのは、タイヤの保管に関するポイント。大手量販店だとあまり見かけませんが、タイヤ専門店だと倉庫からタイヤを出してくるお店がありますよね。この時、白っぽく薄汚れた状態だったりするのを見かけたことはありませんか?

 タイヤの汚れ(?)を落としながら出してきて、ホイールの組み込み作業に入る、なんて光景。

 こんな場面に出くわしたあなたはとてもラッキーです。そして、そのお店のタイヤ管理はかなりいいといえます。

 じつは、タイヤはタイヤのゴムの劣化を防ぐためにワックスが塗られているんです。といってもピカピカ光るやつではなく、例の白っぽい薄汚れた粉に見えるやつ。このワックスがついた状態で涼しい倉庫に保管されているなら、一昨年のタイヤでもゴムの劣化はほとんどありません。

 このタイヤショップは、売れ残りのタイヤを引っ張り出してきたわけではなく、きちんとした商品管理をしているお店ってことです。

 逆に、店頭でホイールに組み込んだ状態で展示されているタイヤは注意が必要かもしれません。特にピカピカの艶出しワックスを塗っているものは要注意です。タイヤはワックスを落としたところから劣化が始まるので、店頭に置かれ直射日光にさらされたタイヤは徐々にゴムの劣化が始まります。半年くらいなら気にすることはありませんが、1年表に晒されているのは危険。

 それからタイヤ専門店はまずやらないと思いますが、艶出しワックスはゴムの劣化の原因になるのです。

 もしブロックの根元にひびが入っていたら買うのは避けたほうがいいと思います。

店頭に長期展示してあるタイヤは避けたい。命を乗せる大切な部品であり、安い買い物ではないので、購入時にヒビなどがないかはチェックしてもらいたい(artem_goncharov@Adobe Stock)

■古いからダメじゃない! 先代モデルの賢い選び方

 そうはいっても、やっぱり最新のスタッドレスタイヤがいいんでしょ? と思っている人は少なくないと思います。

 それがベストだと思いますが、先代モデルがダメってことではありません。特にここ数年はタイヤの性能がよくなっているので、先代モデルから性能が飛躍的に向上したなんてことはなくなりました。

 ダンロップでは2020年に『ウインターMAXX03』を発売しましたが、このタイヤはプレミアムタイヤと位置づけ、従来モデルの『ウインターMAXX02』をバランス型として併売しています。ほかのメーカーもそんなふうに謳ってはいませんが、スタンダードスタッドレスタイヤ的な位置づけで売っていたりします。

 売れ残りじゃないことを確かめるには、タイヤの製造年週をチェックするといいでしょう。タイヤの側面を見ると、楕円の枠の中に4桁の数字が記されています。これが製造年週。例えば「1020」なら「2020年の10週目」に造られたタイヤということです。

 昨シーズン新型タイヤが発売されていたとしても、先代モデルとなるスタッドレスタイヤが継続して製造されていれば、今年製造の刻印で作られていることもあるわけです。

 いまのスタッドレスタイヤはかなり氷雪上性能がよくなっているので、予算の関係で最新のものが買えなかったとしても製造年月日さえチェックしておけばフレッシュな先代モデルを手に入れることができるわけです。継続して先代モデルが売られている場合はカタログの後ろのほうにラインアップモデルとして載っているので、これも参考にするといいと思います。

最新モデルのほうが技術的に進歩しているのは確かだが、決して先代モデルがダメということはない。ただし、できるだけ製造年週の新しい物を選ぶように注意したい(FRANK@Adobe Stock)

■お財布にやさしいインチダウンの正しいやり方

 でも、やっぱり最新のスタッドレスタイヤが欲しいという方。もうひとつ手段があります。インチダウンです。ホイールサイズを1サイズ、あるいは2サイズ小さくするというやり方です。

 これは扁平タイヤが標準装着のクルマに限られます。18インチ、19インチのタイヤを装着しているクルマは、たいていタイヤの扁平率も45~40%扁平が多いのではないでしょうか。

 例えばマツダ「マツダ3」はグレードによって215/45R18と205/60R16という2つのサイズが用意されています。マツダ3に乗っていて装着しているタイヤが215/45R18だったら、問題なく205/65R15にインチダウンができます。

 ほかのクルマでもグレードによってホイールサイズが違う場合は、インチダウンできる可能性が高いです。気を付けなくてはいけないのは、ハイグレードモデルやスポーツグレードでブレーキのローター系やキャリパーサイズが大型化されているクルマはホイールとブレーキユニットが干渉して装着できないことがあるということです。

 タイヤサイズを小さくしちゃって大丈夫なの? と思う方がいるかもしれませんが、これが大丈夫なんです。

 タイヤには1輪が支えられる「最大付加能力=ロードインデックス」というのが示されています。これでタイヤの負荷能力が示されています。215/45R18サイズなら89になります。215/45R18 89Wといった具合に示されています。これに対して205/60R16は92くらいで、205/60R16 92Hといった具合に示されます。

 最後の数字の部分の89とか92というのがロードインデックスで、89は580kg、92は630kgの最大付加能力を持っているわけです。

 ロードインデックスの大きさは、タイヤの空気量に大きく左右されるので、同じ外径ならより空気量の大きなタイヤのほうが最大付加能力は高くなります。

 ブレーキとホイールが干渉しなければインチダウンは可能です。その際は、タイヤ外径とロードインデックスに注意するといいでしょう。またインチダウンに関しては、ホイールの干渉も含めディーラーやタイヤショップに相談することをお勧めします。

インチダウンする際は適切なホイール&タイヤサイズを選ぶ必要がある。「イマイチわからないけど大丈夫だろう」と素人判断をせずに、ディーラーやショップに相談してもらいたい(sojyun@Adobe Stock)

 スノードライブは、タイヤのグリップ限界に近いところで走る場面がほとんどなので、スタッドレスタイヤも安ければ性能はどうでもいいというわけにはいきません。安く買えるに越したことはありませんが、一定以上の性能と安心感を持っていることがタイヤ選びのポイントになります。以上の3つのポイントを参考にしてタイヤを選べば、よりよいタイヤ選びができると思います。

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