トヨタ、日産ら自動車会社各社の販売順調指数はいったい? 2017年総括版 

トヨタ、日産ら自動車会社各社の販売順調指数はいったい? 2017年総括版 

 2017年もあっという間に年末になってしまいました。自動車業界をふり返ると本当にいろいろなことが起きた1年です。日本の物作りの根幹を揺るがすような事件もあれば、さまざまなクルマのアップデートなどもありました。

 新型車のデビューは少なかったものの、話題のクルマが生まれた1年かもしれません。そんな2017年をふり返り、自動車会社各社に成績をつけてみました。いったいトップはどの会社か? 乞うご期待。

文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
「ベストカー」2017年12月26日号


■2017年もいろいろありましたが……

 ふり返ればもう年の瀬が押し迫ってきました。2017年ふり返るとJC08モード燃費より実燃費に強いWLTCモードが普及し始めたり、高速道路の一部110km/h化が始まったり、テスト中の新型ジムニーが目撃されてちょっとかっっこよくて唸ったり、あおり運転が社会問題になったり、などいろいろありました。

 自動車業界にとっては第45回東京モーターショーがもっともビッグイベントだったかなと思います。

 そんな期待でワクワクした東京モーターショーとは裏腹に、自動車メーカー各社にはさまざまな出来事がありました。いいニュースもあれば、消費者を裏切るような事件もあったり、各社にとっては波乱の1年だったかもしれません。

 そこでジャーナリストの渡辺陽一郎氏が昨年の実績と比較して、今年の各社の「販売順調指数」をまとめました。「販売順調指数」は渡辺陽一郎氏による点数です。(ベストカーWeb編集部)

■大手3社は明暗が分かれる展開に

【トヨタ→90/100】絶対王者・トヨタはケタ違いの販売台数を記録  2017年1月〜10月販売台数 119万1979台

 最大の販売規模を誇り、2017年1~10月の国内におけるトヨタ車比率は総台数で30%、小型/普通車にかぎれば46%だった。

 2017年10月の登録台数は、小型/普通車で1位のアクアが前年に比べて20%の減少、プリウスは29%減って苦戦するが、他社よりはやはり好調だ。

プリウスはイケイケかと思いきや失速。それでも販売台数トップはさすがトヨタの安定感
プリウスはイケイケかと思いきや失速。それでも販売台数トップはさすがトヨタの安定感

【ホンダ→87/100】FMC&MC連発で勢いを感じた今年のホンダ 2017年1月〜10月販売台数 58万6566台

 2017年1~10月のメーカー別販売順位はトヨタに次ぐ2位だ。シビックを復活させ、フィットやステップワゴンの安全装備を充実させるなど改良も活発に行う。

 ただし直近ではN-BOXの一新でディーラーが多忙になり、小型/普通車の販売力が下がり気味なのが懸念材料。

N-ONEの完成度も高くこれまた売れそうだ。シビックのMTグレードの好調も嬉しい
N-BOXの完成度も高くこれまた売れそうだ。シビックのMTグレードの好調も嬉しい

【日産→57/100】完成検査問題も痛いが、ニューモデルが少ないのが痛い 2017年1月〜10月販売台数 42万9251台

 10月は完成検査不正問題で生産と出荷が止まり、小型/普通車の販売が半減した。昨年も三菱の燃費不正問題で軽自動車が停滞。

 しかも最近は新型車が乏しく、2016年はセレナ、2017年はリーフだけ。販売台数の順位も4位となり、全体に低迷している印象となった。

作り込みが非常に丁寧な新型N-BOX。シビックのMTが順調なのも嬉しいニュース
ノートe-POWERで一時期は天下を取った日産だが、その後の不祥事などで帳消しに。リーフの存在も霞んでしまったか

■スズキが怒濤の販売台数3位にランクアップ!!

【マツダ→61/100】クルマの性能は高評価。しかし、販売面はチョイと苦戦中 2017年1月〜10月販売台数 15万9982台

 2012年に発売された先代CX-5以降のマツダ車は、走りを中心に質を高めたが売れゆきは落ちた。

 2017年1~10月の販売台数は、2010年に比べて12%少ない。デザインや商品特性の硬直化、ミニバンの実質的な廃止、敷居の高い印象をユーザーに与える新世代店舗などが不調の原因か。

オシャレな雰囲気が漂うマツダだが、ひとつ間違えると「とっつきにくい」イメージにもなりかねない
オシャレな雰囲気が漂うマツダだが、店舗形態も含めてひとつ間違えると「とっつきにくい」イメージにもなりかねない

【スバル→91/100】安全装備充実&新プラットフォーム採用車登場で販売は順調に推移 2017年1月〜10月販売台数 14万2444台

 メーカー別の販売順位は7位だが、2017年1~10月の対前年比は18.7%の増加で成長率は1位。

 またディーラー網は約460店舗でトヨタ4系列の10%以下だが、そのわりに販売台数が多い。先進安全装備など、共感の得られる商品開発で高い人気を獲得した。

インプレッサなどのプラットフォームを一新し、スバルらしさを追求。アイサイトなども順調に進化を遂げた。完成検査問題のイメージ払拭が急務
プラットフォームを一新し、スバルらしさを追求。アイサイトなども順調に進化を遂げた。完成検査問題のイメージ払拭が急務

【三菱→53/100】販売台数では残念な結果に。エクリプスクロスで巻き返しなるか? 2017年1月〜10月販売台数 6万6457台

 2016年の燃費不正問題から脱し切れておらず、販売台数では最下位。本格再始動はエクリプスクロス発売後だが、国内に積極的に取り組んでほしい。

 さもないと販売会社が危うく、顧客にも迷惑を掛ける。持っている技術力は高いので実績は必ず向上できる。

技術力の高さはあれど、ブランドイメージが追いつかない現状は三菱自身が一番悔やむところ。エクリプスの初動にも期待だ
技術力の高さはあれど、ブランドイメージが追いつかない現状は三菱自身が一番悔やむところ。エクリプスの初動にも期待だ

【スズキ→85/100】新型スイフトが好調、堅調な軽の販売で販売順位は3位に 2017年1月〜10月販売台数 44万5093台

 軽自動車のイメージが強いが、2017年1~10月は新型スイフトなどの好調に支えられ、小型/普通車の販売比率が17%に達した。

 メーカー別販売順位もトヨタ、ホンダに次いで3位と実は高い。安全装備の向上を含めて商品力が高まり、販売は好調に推移する。

安い、軽い、楽しいを実現したスイフトスポーツなど、その作り込みはさすが。小型車部門の堅調も嬉しい
「安い、軽い、楽しい」を実現したスイフトスポーツなど、その作り込みはさすが。小型車部門の堅調も嬉しい

【ダイハツ→75/100】ムーヴキャンバス、タントなどの活躍で軽自動車販売は1位に 2017年1月〜10月販売台数 41万3511台

 2016年発売のムーヴキャンバスが意外に長い人気を保ち、2017年発売のミライース、定番のタントも好調で軽自動車販売では1位。

 小型車はダイハツが開発を担当しても販売はトヨタが中心に行うが、最近は軽自動車の技術を生かして商品力を高めてきた。

軽自動車ナンバーワンのダイハツ。トヨタとの提携で小型車も進化を続けており、スズキとの切磋琢磨も続きそうだ
軽自動車ナンバーワンのダイハツ。トヨタとの提携で小型車も進化を続けており、スズキとの切磋琢磨も続きそうだ

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