■なぜ三菱RV王国は崩壊したのか?
1990年代に登場したモデルに関しては、(3ナンバー車が買いやすくなった時期にドンピシャのタイミングで登場した初代ディアマンテなどの乗用車を含め)三菱自動車の商品企画力は時代をよく見たものだったと思う。
しかし、2000年代以降のRV系については、そうではなかった。
「2代目までのパジェロの成功体験から抜けられなかった」とよく言われるように、時代の変化に対応できなかった3代目以降のパジェロのような硬直化を感じたり、トヨタに対する挑戦者であった三菱自動車のモデルに求められていた「個性」がいずれも薄く、埋もれてしまったモデルが多かった。
それでも初代アウトランダー(2005年)やデリカD:5(2007年)、プラグインハイブリッドのアウトランダーPHEVといった魅力あるモデルもあった。
だが、2000年と2004年のリコール隠しや2016年の燃費不正といった不祥事により三菱自動車のブランドイメージは急降下し、近年成功した三菱車はRV系を含めデリカD:5くらいで、登場から8年が経った今でも目が覚めるくらい素晴らしいクルマであるアウトランダーPHEVですら伸び悩むのも無理もない。
■まとめ
現在再建中の三菱自動車であるが、最近登場したエクリプスクロスPHEVは、(価格はともかく)車重が2トン近いにも関わらず三菱自動車の武器である四輪統合コントロールなどにより、運転して楽しくかつ快適と、やはり技術力のあるメーカーなのを実感する。
それだけに、今後日産ルノー三菱自動車アライアンスにおいて、唯一無二の個性を発揮してほしい。
今後、三菱自動車が主導するRV関係は、プラグインハイブリッド車が中心になると思われるが、東南アジア諸国で人気のエキスパンダーの日本導入なども含め、加藤新社長の大胆な舵取りによる復活を大いに期待したいところだ。
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