2020年6月に4代目にフルモデルチェンジされたトヨタの高級ミドルSUV『ハリアー』。
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表している販売台数ランキングで、2020年9月は5位(8979台)、10月は6位(9674台)、11月は4位(9897台)とライバルのSUVモデルと比較して圧倒的な強さを見せている。
だが、その大人気のハリアーの納期が大幅に延長されているという情報が入ってきた! その驚きの最新納期情報と、なぜそこまで納期が延びているのか? その裏事情に迫る。
文/遠藤徹
写真/編集部、MAZDA、HONDA、SUBARU
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■フル生産でも貯まるバックオーダー 納期の最長は2021年9月!
2020年6月17日にフルモデルチェンジしたトヨタ『ハリアー』が絶好調の売れ行きを堅持している。新年早々の納期は、人気の高い「G」と「Z」のレザーパッケージでなんと2021年秋の9月上旬、売れ筋の「G」「Z」で8月末となっている。
2020年11月時点での納期はゴールデンウイーク明けの2021年5月上旬、12月上旬時点では2021年7月となっていた。1カ月ごとに2カ月も先送りになっているのだ。
理由はどんなことが挙げられるのか?
新型ハリアーの知名度、商品力の高さは当然のことながら、直接競合するライバルが存在しないことが理由としてある。また、歴代モデルはトヨペット店の専売モデルだったのが、新型車からトヨタ店、カローラ店、ネッツ店を含めた4系列店全店で併売になったので、販売力が約4倍に増強された形になり売れ続けているのだ。
2020年11月のハリアーの登録台数は9897台で、前年同月比461.7%増と5倍以上となった。この時点の推定バックオーダーは約10万台となっている。
2020年8月現在の新車販売店舗は、トヨペット店が922拠点なのに対してトヨタ店967拠点、カローラ店1154拠点、ネッツ店1361拠点、合計4606店となっている。つまり従来のトヨペット店よりも5倍の販売拠点態勢となっているのだ。従業員数だと4.6倍であるから登録台数がこれだけ膨れ上がるのは当然ともいえる。
メーカーのトヨタは月産1万台規模のフル生産で対応しているのに、供給が追い付かず、バックオーダーが貯まるいっぽうの状況だ。
人気モデルで高価だから1台当たりの収益が高く、販社や営業マンはこぞって新型ハリアーを売りたがる傾向が強くなっている。人気車であれば、商談する時間も短くて済むので効率がいいという事情もある。
これだけの人気モデルだと、一般的には値引きを渋る売り方になるわけだが、ハリアーはそうではない。
大型ナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーティング、有料色、フロアマット、サイドバイザーなど約50万円のオプション&付属品を付けて見積もりを取ると、下取り車なしでも35万円以上が初回交渉の提示額になっているケースが目に付く。
2020年末の年末セールや新年のお年玉セールでは、下取り車ありだと50万円引きの大台突破も見られた。それでもハリアーは高級車であるから、オプション&付属品を含めたトータルの販売店のマージン幅は台当たり80万円以上もあるので、50万円引きでも販売店の採算は十分にとれる勘定なのである。
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