クルマに長年のっている人であれば一度くらいは道路上で野生動物と遭遇したなんてこともあるだろう。担当もタヌキと接触してしまったことがあるが、北海道では鹿との接触事故が多発している。
そんな動物との接触事故「ロードキル」について気になる話がネット上で話題になった。それが人間の飼育下にある家畜と、野生動物では「ロードキル」時に保険金がおりる、おりないという問題になるという。そんなことがあるのか!?
今回は保険会社に確認してみました。鹿だけにシカたない、ではすまない問題です。
文:ベストカー編集部/写真:Shutterstock.com
ベストカー2018年2月26日号
■「ロードキル」には保険金はおりる!!
某有名ニュースサイトの記事『鹿のロードキル減少に効果のある装置開発』という記事についていたコメントがちょっと話題になっている。
「乳牛と事故を起こした時は自動車保険が出るけど、野生の鹿だと自動車保険が出ないって知ってる? ひと月で両方に当たったことがある北海道人です」という内容のコメント。
このコメントに「ウソ? ホント?」と、メインの話題そっちのけで盛り上がる盛り上がる。気になって仕方がなくて、ついつい調べてしまいました。
まず聞き慣れない言葉の「ロードキル」。これは道路上で発生する、クルマが関係する野生動物の死亡事故のことをいいます。
さてそんなロードキルにおいて、乳牛などの家畜と、鹿などの野生動物と衝突した場合で、自動車保険の保険金の支払いに違いがあるのか? 本当のところを、損害保険業界大手の東京海上日動の広報部に聞いてみました。
「一般的に、何かとぶつかってご自分のクルマを修理する場合に使うのは『車両保険』になりますが、ぶつかったものが野生動物でも家畜でもその扱いに違いはありません」
ではなぜ、あのコメント投稿者は違いがあると書いたのだろうか?
「違いがあるとすれば、賠償請求されるか、されないかだと思います。衝突した家畜やペットがケガや死亡した場合、その所有者の方から賠償請求をされることがあります。
その時は『対物賠償責任保険』から保険金をお支払いします。しかし野生動物の場合、誰かが飼育している訳ではありませんので、賠償請求をしてくる相手がいません。ですので、保険金をお支払いすることがありません」
なるほど。では車両保険に入っていれば、自分のクルマを直すための保険金は支払われるのだろうか?
「車両保険では、クルマ以外のどんな物とぶつかっても補償されるタイプと、クルマ同士でぶつかった時しか補償しないタイプと補償範囲を選択することができます」
このクルマ同士の場合のみを補償する保険は、一般的に「エコノミー型」といわれるが、野生動物との事故は、ガードレール・電柱に衝突するのと同じ単独事故扱いとなるため、補償の対象外になってしまうそうだ。
編集担当が疑問に感じた、コメント投稿者の言う「違い」は賠償金のようだ。しかし、自分のクルマを直すための保険金に関しても、プランによって違いが出ることは知らなかった。あとで、自分のクルマの契約も見ておこう……。
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