「牛」と「鹿」では事故の時の保険金が異なるってホント!? 野生動物との事故事情

■そもそも北海道では乳牛と事故が起きるの!?

 さて疑問は解消されたのだが、コメント投稿者(北海道)はひと月の間に、鹿と乳牛にぶつかったと書いている。

 北海道では、そんなに家畜と衝突する事故が多いのだろうか? そこで、道内で発生している事故件数を把握している、北海道警察交通企画課にその実態を聞いてみた。

「道内で発生する動物が絡んだ事故で多いのは、やはりエゾシカですね」

 道警が集計しているデータによると、エゾシカが関係した交通事故件数は2016年だけで、なんと1936件も発生。

 最も多いのは釧路湿原が有名な釧路エリアで391件と他地域をぶっちぎっている。エゾシカの多さはわかった。では乳牛と衝突したという事故報告は聞いたことがあるのだろうか?

「私は、乳牛と衝突したという事案については聞いたことがありません。動物別に集計された2017年の死傷事故件数データの『その他』に入っているかもしれませんが、ぶつかった動物が特定できなかった案件で、鹿や熊なども含まれていると思いますので、明確にお答えすることはできません」

 ん~、では事故で使われる自動車保険に関する情報をまとめている、日本損害保険協会北海道支部ならば聞いたことがあるだろうか!? 担当者に聞いてみた。

「残念ながら、私も聞いたことがありませんね。基本的に柵の中で飼育されているものなのですからね」

 確かにおっしゃるとおりです……。もっと広範囲に調査をできれば、ぶつかったことのある人物に出逢うこともできるかもしれないが、残念ながら時間が足りなかった。

 この記事を読んで、乳牛とぶつかった経験があるという読者の方、ぜひシチュエーションを教えてもらえればと思います。

原則として人間の管理下にある乳牛が道路に飛び出す、とは考えにくい
原則として人間の管理下にある乳牛が道路に飛び出す、とは考えにくい

 ここまでは北海道にフォーカスしたが、ロードキルは全国の一般道・高速道路で発生している。

 NEXCO東日本によると、2014年に管内の高速道路で発生したロードキルは約1万9800件。単純計算すると、約54件/日も発生していることになる。ほかの地域も合わせれば、その数はもっと膨らむことになる。

 こんな誰でも被害に遭う可能性があるロードキルだが、野生動物を轢いてしまった場合、どうすればよいのか? 

 JAFによると、衝突した時にまずやるべきは警察に連絡することだそうだ。これは任意保険を請求する際に、事故証明が必要になるためだ。

 次に衝突した動物が生きている場合、衛生面や安全面から素手で動物を触らないように注意しつつ、タオルや段ボールで保護し、費用はドライバーの負担になるが、動物病院や保護施設に運ぶことを推奨している。

 動物が死亡している場合は、二次被害を防ぐため、交通の妨げにならない路肩に動物を移動させることが大切だという。

 もちろん素手で接触するのは避けたい。高速道路や幹線道路の場合は、道路緊急ダイヤル「#9910」にかけてもらいたい。

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