日本車はアメ車が隆盛を誇っている時にはアメ車を追いかけ、結果的に追い越した。そして、日本メーカーが次なるターゲットとしたのが欧州車で、ドイツ車の堅牢な走りを追い続けてきている。
日本車の進化は目覚ましいが、いまだに走りはドイツ車よりも劣っているのだろうか? これは永遠のテーマともいえる、非常に気になる問題だ。
日本車の走行性能、ハンドリングなどの現状と、ドイツ車に比べてどうなのかという点について、松田秀士氏が考察する。
文/松田秀士、写真/TOYOTA、HONDA、LEXUS、BMW、AUDI、平野学、奥隅圭之、池之平昌信、佐藤正勝、平野陽、ベストカーWeb編集部
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モータースポーツ界での日独の力関係
「ウチが走りでベンチマークにしているのはBMWです」、「走りは欧州車にかなり近づいたのではないかと」この手の言葉、試乗会でよく耳にしたセリフだ。
日本の自動車メーカーは欧州車、その中でも特にドイツ車を追いかけて成長してきたようだ。その姿勢は現在も変わらない。
筆者は長い間、自動車レースに携わってきているが、走り=レースと仮定すれば思い起こす限りやはりドイツ車の優位性が高い。これは日本車に対してというだけでなく、世界を相手にドイツ車はレースでも強いのだ。
現在でもF1GPでトップはメルセデスだし、ル・マン24時間ではアウディやポルシェが常勝メーカーだった。現在、ル・マンではドイツメーカーが撤退してトヨタが常勝メーカーとなっている。
ドイツメーカーが撤退した理由のひとつにトヨタに負かされそうになったから、という声も聞こえていた。
さらにF1GPで常勝メルセデスと互角の勝負をするようになったホンダがある。
どうやら日本車はドイツ車に追い付いたのではないだろうか? もしかすると、もう越えているのではないだろうか? と思うことさえあるのだが、もちろんレースで互角あるいは越えたからといって市販車も同じであるとは限らない。本当のところどうなのか? ということを考えてみようと思う。
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