アルファード、スイスポ…モデル末期でも魅力薄れない秘訣は? 円熟の現役国産車 4選


マツダ ロードスター/2015年発売

4代目ロードスター(2020年販売台数:4434台/全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mm)

 クルマと一体になって楽しく走れるスポーツカーの代表がロードスターだ。

 現行型は2015年に発売され、今はスポーツカーの売れ行きが下がって登録台数は少ないが、それでも2016年は約6100台、2017年は前年に追加されたRFが堅調に売れて7000台、2018年は5300台、2019年は4700台、2020年はコロナ禍の影響を受けたものの4400台となった。時間が経過しても、売れ行きがあまり下がらない。

 このような売れ方をする理由は、ロードスターを定期的に乗り替えるユーザーがいるからだ。全長を4m以下に抑えた後輪駆動のスポーツカーは、軽自動車のS660を除くと日本車では存在しない。

 車両重量はソフトトップであれば1020kg(RS)と軽い。吹き上がりの良い1.5Lエンジンとの組み合わせで、峠道の走りは抜群に楽しい。

 電動開閉式のハードトップを備えたRFは、2Lエンジンを搭載して、長距離ドライブも快適だ。

 「人馬一体」と表現されるロードスターの運転感覚は、すべてのマツダ車のコンセプトに結び付いている。登録台数は少なくてもマツダの基幹車種だから、力を入れた開発が行われ、国内市場との親和性が高いこともあって売れ行きを下げない。

三菱 デリカD:5/2007年発売

デリカD:5(2020年販売台数:1万1157台/全長4800mm×全幅1795mm×全高1875mm(2019年2月登場モデル))

 三菱の販売店では「デリカD:5のみを乗り継ぐお客様が多い」という。三菱は国内で展開する販売店が約600箇所と少なく(トヨタ:4600箇所、ホンダ:2200箇所、日産:2100箇所)、登録台数自体は多くないが、売れ行きを低下させない。

 現行型は2007年に発売されてから14年を経過するが、2019年には約2万台、2020年は1万1000台を登録。2020年の販売実績は2015年と同等だから、コロナ禍の影響を受けながらも堅調に売られた。

 販売に弾みを付けたのは、2019年に売れ筋のクリーンディーゼルターボ搭載車に実施された大幅なマイナーチェンジだ。

 フロントマスクなどの外観、インパネを始めとする内装、クリーンディーゼルターボの性能や静粛性、走行安定性、乗り心地などを刷新した。さらに衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能も充実させ、商品力をフルモデルチェンジ並みに向上させている。

 その結果、販売店のコメントの通り、従来型からの乗り替えも一層進んだ。そしてデリカD:5が以前から備えていた特徴も、息の長い人気を保っている理由だ。

 まずはSUVと同等の悪路走破力がある。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は185mmを確保したから、悪路のデコボコも乗り越えやすい。4WDには多板クラッチの締結力を強めるロックモードも装着され、悪路走破力はミニバンのナンバーワンだ。車高を高めたことで、外観のSUVらしさも強調されている。

 実用回転域の駆動力が高く、燃費の優れたクリーンディーゼルターボも魅力だ。ディーゼルエンジンを搭載するミニバンは、デリカD:5とグランエースのみだから、貴重なセールスポイントになっている。

 居住性については、全長が4800mm以下のミニバンでは、3列目シートが最も広い。多人数で乗車して、長距離を快適に移動できる。3列目を跳ね上げるとボックス状の広い荷室になり、4名で乗車して大量の荷物を積める。

 こういった特徴が相まって、デリカD:5の人気は根強く、中古車市場でも高値で販売されている。そのために購入してから数年を経た時の売却額も高く、残価設定ローンの残価率(新車価格に占める残価の割合)も55%に達する。

 ほかのミニバンは42~47%だから、デリカD:5なら好条件で手放すことが可能だ。そうなると前期型のユーザーも後期型に乗り替えやすい。

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 以上のように息の長い人気を保って円熟に達した車種達は、いずれもほかのクルマでは得られない独自の魅力が備わる。これらの車種には、商品開発の大切なヒントが秘められていように思う。

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