【スープラ、R34、S2000…】2000年代初頭のネオクラシック国産スポーツ

■FRのお手本の2台は今のうちに買いたい!! S2000とR34 GT-T

★S2000(190~220万円)/R34 スカイライン 25GT-T(155~165万円)

 S2000もホンダらしいクルマだ。このクルマがデビューした時、面白いけれど危険なクルマが登場したものだと思った。

 初期型はサスペンションのジオメトリーに問題があったのか、左右へのすばやい切り返しを行うとリアタイヤがスパーンと滑り出すような動きを見せた。

 3型になってサスペンションのジオメトリーに手を加え発散する傾向が緩和された。

 ようやく人に薦められるようになった。スポーツカーとしての性能は今でもトップレベルにある。エンジンはレブリミットが9000回転! 最高出力発生回転も8300回転と超高回転で刺激的。

途中から2.2L化されてマイルドになったS2000。S2000専用の超高回転エンジンを味わうなら今のうちに
途中から2.2L化されてマイルドになったS2000。S2000専用の超高回転エンジンを味わうなら今のうちに

 改めて試乗してみても刺激に満ちており、楽しさがあふれている。エンジンはアクセルに敏感に反応し、シャープな操縦性は今も健在。

 操縦感覚もステアリングを切り出すとノーズが向きを変えて、体が後から曲がっていくような動きを見せる。ロングノーズでリアタイヤの直前に着座位置がくるS2000独特のものだ。モダンな操縦性ではないけれど、それさえも懐かしく楽しい。

 R34スカイラインGT-Tは人気を博したR32GTS-t、ボディが大柄で人気薄だったR33GTS25tに続いて登場したモデル。当時世間ではGT-R人気で、あまりFRのGT-Rには脚光が当たらなかったが、刺激的なFRスポーツとして日本のBMW的な位置づけだった(誉めすぎか?)。

 当時は刺激的で楽しかったが、改めて試乗してみるとターボのセッティングの古臭さや微妙に足りない剛性感が妙に懐かしく、ノスタルジックな気分になった。

 当時のターボはエンジンの圧縮比を低くしていたためか、ターボレスポンスが鈍かった。ヒュイーンと過給圧が高まってきて、それからグワグワッとトルクが立ち上がってくる。だから加速もワンテンポ遅れてギューンとくる。

ドリフトユーザーの需要も多い車種だけに綺麗な個体は減少傾向。普通に乗ってもしっとりと楽しい
ドリフトユーザーの需要も多い車種だけに綺麗な個体は減少傾向。普通に乗ってもしっとりと楽しい

 そのピーキーな加速のしかたが加速感をより刺激的に感じさせているのだ。アクセルを踏んだ瞬間トルクがフワッと膨らんでくる最新のモダンなターボエンジンを知ってしまうと、さすがに古さは拭えない。でもそれが逆に面白かったりもするのだ。

 そんなワケで4台に試乗してみた。もう20年近く昔のクルマたちなので当時の面白かった記憶だけが美化されていて、実際に乗ったらガッカリするんじゃないかと思っていたのだが、いざ試乗してみると、今のクルマより断然面白い。

 もちろん現代のクルマにも面白いクルマは皆無じゃないけれど、いいクルマを作りたい、面白いクルマを作りたいというエンジニアの熱が、今回試乗したクルマからはひしひしと伝わってきた。

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