スズキ ジムニー 48年の“ブレない”歴史 新型登場で知りたい!

モダンさも手に入れた2代目

2代目ジムニー【1981~1998年】/写真は1986年登場のJA71型。17年間に渡り販売されたモデル
2代目ジムニー【1981~1998年】/写真は1986年登場のJA71型。乗用車としての性能も向上させつつ、1998年の軽規格改正まで販売された

 ジムニーは1981年春に初めてモデルチェンジを行った。実用一点張りのデザインからモダンなデザインに変わっている。1986年には4サイクル3気筒エンジンを仲間に加え、パワフルなEPIターボ車も登場した。

 翌年にはインタークーラー付きターボに進化させている。1990年春に規格改正により排気量657ccのF6A型直列3気筒SOHCターボを積んだ。

 後期モデルでは3速AT車や5速MTが加わる。1995年11月には初めて乗用車仕様を送り込み、このときにK6A型直列3気筒DOHC4バルブターボに換装した。

 サスペンションを4輪リーフからコイルスプリングによる3リンク式リジッドアクスルとしたのもこのときだ。

伝統を継承。現行型は約20年経っても「現役」

3代目ジムニー【1998年~】
3代目ジムニー【1998年~】/写真は最終特別仕様車のランドベンチャー。新軽規格に対応しつつも、伝統のラダーフレーム構造を維持。3代のなかで最も長く売られたモデルとなる

 3代目ジムニーは1998年10月に登場した。エクステリアは、先にモデルチェンジしたシエラの後継、ジムニーワイドと似ている。

 伝統のラダーフレームはホイールベースを220mmも延ばした。ボディサイズは2代目よりも大きく、安全性能も大幅に向上させている。

 フルメタルボディだけと割り切り、主役となるのはワゴンだ。キャビンの居住空間も広がり、快適性を大幅に高めた。

 駆動方式はハイ/ローの2段切り替え式トランスファーを装備するパートタイム4WDだが、2代目の最終モデルに採用したドライブアクション4×4を受け継ぎ、走行中でも2WDと4WDの切り替えを可能にしている。

現行型のリアシート。大人でも短時間の移動なら充分許容する居住性と持ち味の走破性を両立させている
現行型のリアシート。大人でも短時間の移動なら充分許容する居住性と持ち味の走破性を両立させている

 エンジンは総アルミ製のK6A型3気筒DOHC4バルブターボで、排気量は658ccだ。トランスミッションは5速MTのほか、新たに電子制御4速ATを設定した。

 サスペンションは、前後とも3リンクにコイルスプリングを加えたリジッドアクスルだ。

 3代目では同軸上にあったショックアブソーバーとスプリングを別軸に変更した。その効果は大きく、舗装路ではしなやかな乗り心地と軽快なハンドリングを実現している。

 サスペンションが軽やかにストロークし、コーナーでも踏ん張りがきく。ロールは許すが、したたかな接地フィールだ。

 3代目から標準装備された電動パワーステアリングも軽く扱いやすい。初期モデルより操舵時の正確性が高められている。

 ストローク感たっぷりの良質な乗り心地も特筆できるところだ。舗装の継ぎ目やギャップを通過しても衝撃を上手に吸収する。一般道では2WD走行だし、燃料タンクも40Lと大きいからロングドライブでも安心感があるだろう(ワゴンRで27L)。

◆  ◆  ◆

 時代とともに進化し、変わってゆくのが工業製品である車の宿命。いっぽうで、時代は変わっても、変わらない価値もある。ジムニーは、変わらない価値の大切さに気づかせてくれる、数少ない現代の車なのかもしれない。

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