純正装着のタイヤには、車種専用設計されているタイヤが存在する。だが、車種専用設計といわれても、一体何が専用なのか? と思う読者も多いことだろう。
そこで今回は、純正タイヤで専用設計するのはなぜか? どんなクルマで専用設計のタイヤが採用されているのか? そして、どのような点で市販品とは異なっているのか? についてわかりやすく解説していきたい。
文/斎藤聡
写真/HONDA、SUBARU、CONTINENTAL、編集部
【画像ギャラリー】あんなクルマもこんなクルマまで!? 専用設計タイヤを履いたクルマを見てみよう!
■欧州では浸透 国産車でも広がる認証制度とは何か?
国産車のタイヤには認証マークを付けている例が少ないので、あまり知られていませんが、じつは標準装着タイヤの多くは専用に開発されています。
ブリヂストンのカタログを見ると、『POTENZA S001、RE050は上記標準装着及びオプションタイヤと、市販タイヤで外観・性能等が異なる場合がありますので、詳しくはタイヤ販売店等、もしくは当社お客様相談室へお問い合わせください。』と書かれています。
欧州ではタイヤの認証制度が広く浸透していて、BMWなら「☆」、ポルシェは「N」、メルセデスベンツは「MO」、アウディは「AO(RSモデルはRO)」といった具合に、メーカーごとに特定のブランドの特定のサイズに認証マークをつけて、装着を推奨しています。
メーカーによっては、認証タイヤが装着されていないと、保証が受けられないケースもありますから注意が必要です。
最近では国産車も認証マークを付ける例が出てきました。例えばマツダ『マツダ3』には「MAマーク」が付けられています。マツダ3に関しては発表会でもタイヤの構造に言及して、タイヤダンピングを下げてしなやかにしている、といっていますから、サスペンションとのマッチングを図るためにも認証タイヤであることを前面に押し出しているのかもしれません。
欧州メーカーでは先に触れたように認証マークが付けられていますが、国産車の場合はむしろ新車装着専用タイヤ=OE(オリジナル・エクイップメント)タイヤとして専用タイヤを用意している例のほうが多いと思います。
新車装着用の安物タイヤ? と思われるかもしれませんが、じつはOEタイヤは専用開発されているのです。
コンパクトカーでは操縦性よりも転がり抵抗や、ロードノイズなどを重視する傾向が強いのですが、そのクルマにフィッティングしているという意味では、メーカーの狙った性能を出すために専用開発されているわけです。
コメント
コメントの使い方