■A1でもアウディらしい味を楽しめる? 【アウディ A1】
ぼくにとってのアウディの魅力は、まるで精密機械のような品質感。エンジン、ボディ、足回り、すべてが高いクォリティで作られているところに惚れ惚れする。
ご自慢のクワトロAWDシステムも、4輪のトラクションを最適化するための緻密なメカニズム。エモーショナルな走りではBMWに一歩譲るけれど、そのかわり鬼のスタビリティでどこまでも突き進むというイメージだ。
で、アウディのエントリーモデルたるA1なのだが、クルマとしては文句なしの優等生で、このセグメントのベストといっていい存在。
また、プレミアムコンパクトとしての高級感も上手に表現されていると思う。割高だけれども、それだけの価値を備えたクルマであることは間違いない。
しかし、3気筒1LターボのFFで、ぼくの考える「アウディ基準」を満たしているかというと、個人的にはノー。金に糸目をつけない贅沢なメカにこそ、アウディの魅力の真髄があると思うからだ。
申し訳ないけど、そこに届いていないなら「ポロでいいのでは?」という気持ちになってしまうのでございます。
(鈴木直也)
高級ブランド・アウディを味わえる度…70%
◎スポーツバック1.0TSFI
全長:3985mm
全幅:1745mm
全高:1440mm
車両重量:1140kg
エンジン:1L直3DOHCターボ(95ps/16.3kgm)
ミッション:7速DCT
JC08モード燃費:22.9km/L
■ミトでもアルファらしい味を楽しめる? 【アルファロメオ ミト】
アルファロメオほど知名度と販売台数が乖離しているブランドも珍しい。
戦前から続くモータースポーツの栄光や、綺羅星のような名車群を擁しながら、直近の年間販売台数はわずか6万台ほど。世界中あわせても日本で売れたベンツと大差ない数しか売れていない。
そんなレアな存在から脱却すべく、最新のジュリアを皮切りに現在ブランド再構築の真っ最中。今後はFRベースの新プラットフォームが主力となることが公式にアナウンスされている。
そうなると、現行モデルに残るFFラインアップはちとツライ立場。例えば、ミトなんか、スタイリッシュで走りの楽しいFFとしてそれなりの評価はあるのだが、現行でFFシリーズは打ち止め。あとが続かない。
新プラットフォームに巨額の投資を行っているのだから、アルファロメオはもっと高価格セグメントのブランドにしたい。そんな経営戦略の犠牲になっちゃったのが、現行アルファロメオのエントリーモデルたちといえるんじゃないかなぁ。
(鈴木直也)
高級ブランド・アルファを味わえる度…50%
◎スーパー
全長:4070mm
全幅:1720mm
全高:1465mm
車両重量:1260kg
エンジン:1.4L 直4SOHCターボ(135ps/19.4kgm)
ミッション:6速DCT
JC08モード燃費:14.6km/L
■718ケイマンでもポルシェらしい味を楽しめる? 【ポルシェ 718ケイマン】
モデルチェンジを機に、ケイマンはエンジンをダウンサイジングした。水平対向6気筒から水平対向4気筒ターボに変わったのである。
さすがに気持ちいいボクサーサウンドは影を潜めた。排気系が不等長なので、低回転時はエンジン音がショボイのだ。6気筒の、あの澄んだ音色やほかを圧倒する滑らかな回転フィールを知っていると、ちょっと物足りなく感じる。
だが、ターボの後押しによってパンチ力あふれる動力性能を手に入れた。廉価版の2Lモデルでも動力性能に不満はない。全域でパワフルだし、高回転まで回すと刺激的なパワーフィールを味わえる。6気筒エンジンにはない軽やかさが魅力なのだ。
ハンドリングも911より軽快感がある。ミドシップ方式だし、4気筒エンジンだからバランス感覚は絶妙だ。キレのいいハンドリングを身につけ、狙ったラインに難なく乗せることができる。
エントリーカーであってもポルシェらしい操る楽しさに満ちているのだ。それでいて乗り心地も悪くないから驚く。内装の質感も大きな差はない。
(片岡英明)
高級ブランド・ポルシェを味わえる度…95%
◎718ケイマン
全長:4379mm
全幅:1801mm
全高:1295mm
車両重量:1365kg
エンジン:2L水平対向4DOHCターボ(300ps/38.7kgm)
JC08モード燃費:-km/L
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