通勤はEV走行のみで移動、週末、遠出する際はEV走行とガソリンを使ったハイブリッド走行で、といった使い方だってできる、プラグインハイブリッド車。まさに、「BEVとハイブリッド車のいいとこどり」といった感じで、「欲しいな」と思っている方は多いかもしれない。
しかし、元リーフオーナーの筆者としては、プラグインハイブリッド車は、充電しなくても走ることができるため、いずれ充電が面倒くさくなって充電を全くせずに使う人も出てくるのでは…と、考えてしまう。では、プラグインハイブリッド車を充電せずに使ったとき、どのくらい損をすることになるのだろうか。
文:吉川賢一
写真:TOYOYA、BMW、Mercedes-Benz、VW、MITSUBISHI、HONDA
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充電ゼロでも、ハイブリッド車より低燃費
ハイブリッド車に対し、容量の大きな動力用バッテリーを積むプラグインハイブリッド車は、ハイブリッド車よりも車両重量が増えるのは間違いない。
今回は事例として、トヨタRAV4を取り上げる。RAV4には、2.0リッター純ガソリンモデルのほか、2.5リッターのハイブリッドモデル、そして2.5リッターのプラグインハイブリッドモデルの3種がある。どれも4WDかつ中間グレードの「G」を例にとり、比較をした。
ガソリン車(G/4WD)の車両重量は1590kg、ハイブリッド車(G/e-Four)は1690kg、プラグインハイブリッド車(G/E-Four)は1860kgにもなり、プラグインハイブリッド車はハイブリッド車と比べ、プラス170kgにもなる。
しかし、WLTCモード燃費(PHVはハイブリッド燃料消費率を参照)を比較すると、総合、市街地、郊外、高速のいずれも、ハイブリッド車よりもプラグインハイブリッド車の方が0.6~2.0km/Lほど有利となっている。
170kgもの車重増加があるとはいえ、アクセルオフやブレーキで減速する度にエンジンオフとなり、回生充電モードへと入るため、充電容量に余裕のあるプラグインハイブリッド車の方がより電力を蓄えられる(電動走行が増える)のだ。つまり、RAV4の事例だと、プラグインハイブリッド車の燃費が、ハイブリッド車よりも悪化することはない、というのが数字からいえる結論だ。
「なんだ、それならば充電せずに走っていても、大丈夫じゃないか。」と思うかもしれないが、確実に「損」はしている。プラグインハイブリッド車ならではの、ダイナミックパフォーマンス(動性能)、そして「燃費では回収しきれない車両価格」だ。
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