プラグインハイブリッド車に経済性を求めてはいけない
自宅に充電設備のある方であれば、それほど問題ないかもしれないが、マンションなどにお住まいの方であれば、BEVやプラグインハイブリッド車の充電は、街中にある充電ステーションを頼らざるを得ない。
そして、この「街中での充電」はかなり面倒くさい。充電ステーションは増えてきたとはいえ、まだまだ限られている。買い物中に充電しておこうとすると、買い物場所は限られてくるし、限られた充電設備ゆえ、「使用中」であることもしばしば。
また、都心から離れるほどに、急速充電はおろか、普通充電すらも減っていく。旅先で期待して向かった急速充電スポットが、18時以降は使用中止になっていることも多く、筆者も充電難民に何度なったことか…(管理人がカギで充電ソケットの入ったボックスのロックを外すアナログなシステムだった)。
RAV4 PHVの車両価格は、対ガソリン車でプラス130万円、対ハイブリッド車で63万円。仮に、年間18000km(月1500km)を走るドライバーの場合、ハイブリッド車での年間の燃料代は約12万円(ハイブリッド車の燃費20.6km/Lを基準※レギュラーガソリン140円/Lで計算)。充電ゼロでのプラグインハイブリッド車(燃費22.2km/L)の燃料代は、約11万3000円。
充電による電動走行を半分程度するとしても、燃料代は約5.5万円。ハイブリッド車との車両コストの差を埋めるには、10年以上もかかる。月々の燃料費は確実に安くなるが、車両価格が高いため、回収するには、かなり苦労する。
プラグインハイブリッド車は、ダイナミックパフォーマンスを楽しまないと、まったく割に合わないクルマだ。その証拠に、RAV4 PHVでは、「高出力モーターによる加速力」を、積極的に打ち出している。「経済性」を考えるのならば、そもそもBEVや、ディーゼル車を購入した方が遥かに良い。プラグインハイブリッド車は「電動走行も可能」という大きなメリットはあるが、実は、「ものすごく贅沢なクルマ」なのだ。
必ずしも、流れに乗る必要はない
現在、日本で購入できる、国産プラグインハイブリッド車は、トヨタRAV4 PHV、プリウスPHV、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEV、クラリティPHEVだ。輸入車だと、メルセデス、BMW、アウディ、ボルボ、JEEP(レネゲード)、MINIなど、CAFE規制に立ち向かっている欧州メーカーでは、豊富にそろえられている。
だが我々ユーザーは、その流れにまんまと乗る必要は全くない。クルマを使う環境や、クルマの目的に応じて、最適なモビリティを選べばよいと思う。いまから5リッタークラスの大排気量エンジン車を選ぶのだっていいだろう。
せっかくクルマを手に入れる機会があるならば、燃費だけにとらわれず、「楽しめるクルマ」を選んでほしい、と筆者は考える。
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