SUV&ミニバンら3列シート、EV化、自動運転ら自動車関連の裏事情 10選

■話題のライドシェアの “実はヤバイ”

 若者のクルマ離れとかいわれて久しいけど、それはお金の問題であると同時に効率の問題を含んでいる。

 ある調査(国土交通省全国都市交通特性調査集計)によると、クルマの1日あたり平均稼働時間は30分。つまり、残りの23時間30分は車庫で眠っているわけだ。

 「だったら、使うときだけ借りた方がイイのでは?」効率を考えたら誰でもそう考えるのが必然。所有からサービスへ、クルマの使い方が劇的に変化しようとしている。

 「使うときだけ借りる」というと、まず思い浮かべるのがレンタカーだが、いま話題の「ライドシェアリング」はもっと幅広い概念だ。

 一部大都市ではすでに一般化しているカーシェアリングをはじめ、ウーバーやリフトなどのライドシェアサービス、個人の相乗りシェアリング、あるいは既存のタクシーなんかもここに含めていいかもしれない。

 ライドシェアにおけるユーザーのニーズは、クルマそのものではなく「移動」というサービス。それがどれだけ便利で経済的かが勝負となる。

 つまり、予約や決済などをスマホで完結させるネットアプリケーションのよしあしこそが主戦場。このサービスを自動運転車で提供しようというのが究極の目標だ。

 そのイニシアチブを自動車メーカーが死守するのか、あるいはIT企業に持っていかれちゃうのか。すでに戦いははじまっているみたいですよ。

(鈴木直也)

ライドシェア専用車も必要かも
ライドシェア専用車も必要かも

■クルマのグローバル化の “実はヤバイ”

 日本の自動車業界にとって、グローバル化なんていう言葉は「なにを今さら」の死語。そもそも自動車は最初からグローバルな競争にさらされている商品だし、生産工場の海外進出も’80年代には経験済み。「これ以上ナニをどうグローバル化せいちゅーねん!」てなもんだろう。

 ただし、「グローバル競争の激化」という問題点は、最近の課題としてある。

 日本の自動車メーカーが世界に出て行った’80年代、自動車市場といえば日米欧の先進国がメインだったし、欧米メーカーは海外進出には消極的。日本メーカーはいわゆる“ブルーオーシャン”で我が世の春を謳歌したわけだ。

 しかし、新興国市場が急激に成長し、とりわけ中国だけで3000万台ものクルマが売れるようになると、成長市場を目指して参入するプレーヤーが激増。みるみる競争がシビアになってくる。

 そうなると、どこの地域だって地元勢を支援する政策が求められる。ここ数年、環境規制のルールが目まぐるしく変化しているのは、タテマエは環境でも地元メーカー支援策というホンネがすけすけ。

 とりわけ、中国のNEV法などは、内燃機関からEVへのゲームチェンジを狙った露骨なルール変更としか言いようがない。

 ほんと、グローバル化なんて、正直言ってツライことばっかりですよね。

(鈴木直也)

ダウンサイジングで一歩リードしたVW
多くのクルマがグローバル化している現代

■ダウンサイジングターボの “実はヤバイ”

 欧州勢、とくにVWが先陣を切ったダウンサイズターボブームは、ほぼ10年遅れで日本にも伝播。トヨタ、ホンダ、スズキを先頭にラインアップが充実しつつある。

 そもそも、日本はプリウスを筆頭にハイブリッド車の普及で先行していたため、エコカーといえばハイブリッドが売れ筋。ダウンサイズターボには消極的だった。

 逆に、欧州勢は「ハイブリッドカーは短命」あるいは「欧州の交通事情だとハイブリッドは非効率」として、ディーゼルやダウンサイズターボに傾倒。お互い「ウチの方がイイ!」と意地を張っていたわけだ。

 ところが、皮肉なことに最近は彼我の関係が逆転。日本勢が遅ればせながらダウンサイズターボを増やしているのと同様、欧州勢はPHVを中心に電動化パワートレーンに注力している。

 欧州勢が電動化に熱心なのは、電動化でCO2排出量を減らさないと生き残れないという切実な事情からだ。EU圏ではPHV、中国や北米向けにはEVをラインアップしないと環境規制をクリアできない。

 いっぽう、日本勢のダウンサイズターボ開発も、走りの楽しいエンジン造りをサボってきたツケを払っている感じ。燃費ではハイブリッドに勝てないが、ターボの方がやっぱり乗って面白い。

 最近ようやく、お互いに「敵ながらアッパレ」と認め合えるようになったのかもしれませんね。

(鈴木直也)

ダウンサイジングで一歩リードしたVW
ダウンサイジングで一歩リードしたVW

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