SUV&ミニバンら3列シート、EV化、自動運転ら自動車関連の裏事情 10選


■理想的な乗り物FCVの “実はヤバイ”

 EVブームのあおりで「FCVはオワコン」なんていう声も出ている。FCVは水素というありふれた元素をもとに電気を起こし、排出されるのは水だけ。原理としてはこんなにエレガントでクリーンな動力源はない。

 しかし、その水素の扱いこそがいちばんの難問。元素の中でもっとも軽い水素は、エネルギー密度が低いから液化か圧縮が不可避。

 さすがに液化水素は扱いが難しすぎるから、最近のFCVは70MPaまで圧縮した高圧水素タンクを使っている。

 液化水素ほどではないにしろ、この高圧水素タンクの扱いがきわめてデリケート。絶対漏れちゃいけない、衝突しても壊れちゃいけない、居住性を損なっちゃいけないと、えらく高コストなパーツになっている(アルミ容器にカーボンファイバーテープを巻いて強化する構造)。

 FCVの課題は突き詰めて言えばコストの問題。初期にはそれがFCスタックだったが、スタックが安く造れるようになると今度は水素タンク、そしてその次はインフラとしての水素ステーション…。実用化の道のりには、コストダウンの高いハードルがつぎつぎ待ち構えている。

 シンプルでエレガントな技術ほど、実用化が難しいという見本かも。

(鈴木直也)

高圧タンクの安全確保が大変なFCV
高圧タンクの安全確保が大変なFCV

■話題のライドシェアの “実はヤバイ”

 若者のクルマ離れとかいわれて久しいけど、それはお金の問題であると同時に効率の問題を含んでいる。

 ある調査(国土交通省全国都市交通特性調査集計)によると、クルマの1日あたり平均稼働時間は30分。つまり、残りの23時間30分は車庫で眠っているわけだ。

 「だったら、使うときだけ借りた方がイイのでは?」効率を考えたら誰でもそう考えるのが必然。所有からサービスへ、クルマの使い方が劇的に変化しようとしている。

 「使うときだけ借りる」というと、まず思い浮かべるのがレンタカーだが、いま話題の「ライドシェアリング」はもっと幅広い概念だ。

 一部大都市ではすでに一般化しているカーシェアリングをはじめ、ウーバーやリフトなどのライドシェアサービス、個人の相乗りシェアリング、あるいは既存のタクシーなんかもここに含めていいかもしれない。

 ライドシェアにおけるユーザーのニーズは、クルマそのものではなく「移動」というサービス。それがどれだけ便利で経済的かが勝負となる。

 つまり、予約や決済などをスマホで完結させるネットアプリケーションのよしあしこそが主戦場。このサービスを自動運転車で提供しようというのが究極の目標だ。

 そのイニシアチブを自動車メーカーが死守するのか、あるいはIT企業に持っていかれちゃうのか。すでに戦いははじまっているみたいですよ。

(鈴木直也)

ライドシェア専用車も必要かも
ライドシェア専用車も必要かも

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