■首都高速の耐久性の “実はヤバイ”
首都高の老朽化問題に関しては、4年前に当面の結論が出ている。
大規模更新(造り直し)…5区間合計8キロ
大規模修繕…合計55キロ
この合計63キロは、建設から40年以上を経て老朽化が進んでいる区間だ。費用は合計約6300億円と見積もられていて、料金徴収期間を従来の「民営化から45年間」から「60年間」に延長することで捻出する。完成予定は約10年後、2028年度だが、もっと延びるだろう。
といっても、これが完了すれば老朽化問題も終了、とはならない。人間の老化と同様、首都高の老朽化も止まることはないので、今後も造り直しや大規模修繕は必要になる。
首都高の新規路線建設は終了しつつあるが、今後はメンテナンス費用を捻出するために、ひたすら料金を徴収し続けることになる。
問題は、果たして現状の料金水準で維持が可能か否かだ。
たとえばC1日本橋付近は地下化されることがほぼ決まったが、高架での架け替えに比べると、地下化は数倍も費用がかかる。
仮に今後も各路線で地下への転換を進めることにでもなれば大幅な料金値上げ、あるいは税金の投入は避けられず、首都高の存在そのものが破綻しかねない。
(清水草一)
■高速道路の料金体系の “実はヤバイ”
13年前に道路公団民営化問題が決着し、多くの改善があったが、依然解決されていない最大の課題は、全国一律料金制だと考えている。
正確には全国一律ではなく、首都圏と関西圏の大都市区間は通常の1.2倍と割高にされているが、その他は基本的に全国一律。クルマがひっきりなしに走る東名も、まったくもってガラガラな地方路線も、料金水準は同じだ。
過疎地は一般道の流れが速い分、高速を利用するメリットは小さい。しかもその高速が暫定2車線で制限速度が70キロとなると、特に短めの利用距離の場合、使う価値がまったくなくなる。
もちろん高速道路には観光誘致など様々な効果があるが、せっかく造った道路なのだから、利用される料金水準に下げる(or無料)べきだ。
東京湾アクアラインが好例だ。開通当初は片道4000円でガラガラだったが、それが800円に引き下げられたことで、交通量は4.6倍に増えた。
もともと地方の過疎路線はガラガラなので、料金収入はわずかだ。思い切った値下げ、あるいは無料化を実施すれば、現状「クマしか通らない」ような路線も、一転、役に立つものになる。
つまり、利用価値に応じた料金水準への改定が望まれるということだ。
(清水草一)
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