■不正防止という理由ならば厳格化は当然
調べてみると、一部の業者がデタラメのクルマやバイクを輸入し、日本でナンバー取っているみたいなのだ。
考えて欲しい。世界のスタンダードは、例えばジュネーヴ条約をベースにして作られた基準によってクルマ作りをしている。アメリカ車や欧州車には、いわゆる『WVTAラベル』(日本と同等安全基準)の認定を受けてます。
アメリカ車なら『FMVSS』という基準。これをパスしていれば(すなわち市販車ということ)、日本で走ったって安全ですよということになる。
今回の厳格化、WVTAラベルを持っているか、という点が重要になるのだけれど、別に並行輸入車1台毎にメーカーから書類を出せと言うことじゃない。極端な話、カタログだってメーカー書類。
並行輸入したクルマが現地で販売している車種と同じだと解れば良い。
じゃなんで厳格化を打ち出したと言えば、WVTAラベルなど取っていないような改造車(例えばレーシングカーなど現地でもナンバー取れない車種)を持ち込み、さもWVTAラベルを取っているように申請して登録しているケースが増えているからだ。
繰り返しになるが、現地でナンバーを取れないようなクルマは、日本だってナンバー取れない。激しく改造されたクルマを持ってきて日本でナンバー取れると考える方がおかしい。安全という観点からも、厳格化は当然だと思う。ちなみに中国車の大半はWVTAラベルの認定をしていないため、並行輸入出来ません。
■独立行政法人自動車総合技術機構に聞いてみた!!
ここまで読んで「だったら今やメーカーそのものが存在しない旧車などはどうか?」と思うことだろう。カタログも入手出来ない可能性大。
この点、独立行政法人自動車総合技術機構の「自動車技術総合機構本部検査課」に話を聞いてみた。以下、公式な回答のため、信じて良い。結論から書くと、旧車を並行輸入出来なくなるというのはまったくの誤解。
曰く「審査などはこれまでと変わりません。今回の改正の主旨は本来あるはずのない年代の書類が提出されるなどの不正が多くあったことから、ラベルや書類の厳格化をするということです。
技術基準が課されていない旧車についてはこれまで通り通常の車検検査になります(昭和30年代頃の車両などについては書類を求めようがない、という理由)」。
また、WVTAラベルなどを持っていないクルマであったり(仕向け地自体が欧米などじゃない車両)、メーカーそのものが存在しない車種であっても、技術基準などの適合性があり、かつ自動車制作者などが発行する証明書があれば考慮するという。
完全なワンオフモデルすら門前払いしないという(電気自動車などを想定している?)。
■並行輸入が禁止になるということではない
ということで、WVTAラベル付きのクルマなら問題無し(海外でもナンバー取れない改造車は標準との異差についての書類が必要)。旧車も海外でナンバーが付いていたクルマなら、当時の自動車メディアの記事などそれなりの証明書を添付すれば日本での登録が可能ということである。
並行輸入が禁止になるということは全く無いので御安心を。
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