あっても実は使ってない? セダンでは全滅間近? リアワイパー大激減の理由とは


 ミニバンやSUV、ハッチバックタイプのクルマでは、標準装備となっていることが多い「リアワイパー」。

 しかし現在、セダンタイプの車では、ほぼ装備されなくなっています。セダンでリアワイパーが激減したワケ、について考えるとともに、本当にセダンではリアワイパーは必要ないのか、についても、考えてみようと思います。

文/吉川賢一、写真/SUBARU、NISSAN、TOYOTA

【画像ギャラリー】セダンから消えたリアワイパー……どうして装備されなくなったのか!?


■セダンはリアガラスが汚れにくい

インプレッサG4ではスバルの企業方針により、今でもリアワイパーが装備されている

 なんとなくイメージができるかと思いますが、セダンはそのボディ形状から、リアガラスが汚れにくい、といった特徴があります。

 言うまでもないことですが、ワイパーは視界確保のために装備されているもので、雨や雪が降った際に、ウインドウの水滴を取り除くことはもちろん、泥などの汚れが付着した際、それらの汚れを拭うことが目的です。

 雨降りの日、フロントワイパーはもちろんどんなクルマでも必須ですが、リアワイパーに関しては、リアガラスが傾斜しているセダンタイプの場合、軽い雨程度であれば、クルマが走行中は気流によって雨が飛ばされて、水滴はリアガラスに残りにくいです。

 リアワイパーが標準装備されている、ハッチバックタイプやミニバン、SUVはリアウィンドウが車両後端にあるため、走行することでタイヤが跳ね上げた汚れがリアガラスに付着しやすいのです。

 対して、セダンタイプのクルマは汚れが付着しにくい位置にリアガラスがあるため、よっぽどでなければ、視界を遮るような汚れがつくことはありません。

 セダンボディの代表例として、日産スカイラインでは、V35型(~2006年10月)まではリアワイパーがありましたが、V36型(2006年11月~)以降は、リアワイパーが廃止となりました。

 しかし絶滅したわけではなく、例えばスバルインプレッサG4では今でもリアワイパーが装備されています。多くの不純物が混ざる雪が降った際も後方視界が保てるように、というスバルの企業方針によるもの、のようです。

■燃費改善がきっかけ

空気抵抗がもたらす燃費への影響からセダンのリアガラスは傾斜し、リアワイパーは徐々に消えていった

 このように、セダンでリアワイパーが激減した理由には、セダンタイプのクルマでは、リアワイパーがそれほど重要でなかった、ということがありますが、ここまで激減したのには、他にも「燃費改善のため」という理由があります。

 燃費改善は、現代のすべてのクルマにとって必須課題です。燃費改善のためには、効率の良いエンジンを使うことや、転がり抵抗の低い低燃費タイヤを採用すること、駆動系の抵抗を減らす、などの対策がありますが、「空気抵抗を減らす」対策も大切です。

 クルマは走行中、前方から空気の流れを受けますが、それが車両後方でボディから剥がれ「空気の渦」になることで負圧が生じます。この負圧が、クルマを後ろへ引っ張る力を発生させてしまい、燃費悪化の原因となってしまうのです。

 近年のセダンでリアガラスが大きく傾斜しているのは、「流行のデザイン」ということもあるのですが、気流をキレイに車両後方へと流し、空気の渦を制御するための「機能的デザイン」でもあります。

 ここにリアワイパーが付いていると、気流に乱れが生じてしまい、せっかくの「機能的デザイン」が無駄になってしまうのです。それほど重要でない、と判断されたセダンのリアワイパーは、こうして消えていったもの、と思われます。

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