■トヨタ2000GT
やはり外せない筆頭車種。今から50年以上前の1967年5月、日本で最初にリトラクタブル・ヘッドライトを採用したのがトヨタ2000GTである。
デザインを決める早い段階から北米市場での展開を見据え、リトラクタブル式にこだわり、スイッチ操作で自動昇降を可能にした。開発と生産のパートナーにはヤマハ発動機を選び、ボディだけでなくパワートレーンもヤマハが手がけている。
前期モデルはポップアップするのに3秒ほどかかったが、後期モデルでは大きく改善された。
■日産(Z31)フェアレディZ
1983年9月に登場したZ31の型式を持つ3代目フェアレディZは、通常は半分だけ露出し、点灯時には垂直に上がる独特のセミリトラクタブル式、「パラレルライジング・ヘッドランプ」を採用した。平行リンクによって光軸が正規の方向を保つように工夫している。
大人気車種として日米で日産の地位を向上した先代から、大きな期待を背負って登場したZ31型。このセミリトラクタブル式のおかげもあり、今も根強いファンを多く持つ。
■ホンダ2代目プレリュード
デートカーとして持てはやされたプレリュードは1982年11月に2代目となった。フロント・ダブルウイッシュボーン・サスペンションによる低いボンネットが特徴で、ノーズ先端にはリトラクタブル・ヘッドライトを配している。格納するヘッドライトは角型だ。
■セリカGT-FOUR
FFスペシャルティカーに生まれ変わったとなったST160系のヘッドライトはライズアップ式のリトラクタブルだ。
後継のST180系セリカGT-FOURも受け継いでいる。WRC(世界ラリー選手権)ではヘッドライトを上げていると車両感覚がつかみやすく、運転しやすいという利点もあった。
■マツダ初代ユーノスロードスター
FRスポーツ、そしてオープンカー市場を掘り起こしたのが、ユーノスブランドから登場したマツダのロードスターだった。
ロングノーズの古典的なシルエットで、フードの先端にリトラクタブル・ヘッドライトを組み込んでいる。
その構造はRX-7で培った技術を用いた。記録的な大ヒット車種となり、世界の自動車界に影響を及ぼした。残念ながらリトラクタブル・ライトは初代のみ。
■ホンダ初代NSX
エンジンだけでなく、シャシーやサスペンションまでも専用設計としたスーパースポーツで、オールアルミ製のボディの先端にリトラクタブル・ヘッドライトが付く。
軽量設計にこだわり、空気抵抗も配慮した。21世紀に登場の後期モデルは固定式ヘッドライトとした。
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