■アイシンの技術がスライドドアの要になっている
◎スライドドアのメリット・デメリット
・メリット…簡単に開け閉めできる/横幅の狭い場所での乗り降りもラクラク/開口部が広いので乗り降りスムーズ/チャイルドシートに子供を乗せやすい
・デメリット…ドアの開け閉めが遅い(電動)/ドアが重い/全高が高くなる/ヒンジ式よりコスト高となる
スライドドアのメリットは、なんといっても狭い場所で楽にドアを開け閉めできること。ヒンジ型ドアでは隣のクルマにドアをぶつけてしまう場面でも、スライドドアならぶつける心配なし。それに乗り降りも楽。
いっぽうデメリットもあって、それは機構が複雑になること、そしてそれに伴って重量も増してしまうことだ。
現行のスライドドアはほとんどパワースライドドアになっているが、このパワースライドドアで大きなシェアを持つのがおなじみアイシンだ。普通車の場合約8割、軽の場合はほぼ100%のシェアを持っている。
アイシン製のパワースライドドアが優れているのは、なんといってもモーターをドア側に内蔵したこと。
アイシンがスライドドアに取り組み始めたのは1990年代初頭。東京モーターショーでもコンパクトカーにパワースライドドアを搭載して発表している。
その後本格的な取り組みが始まったのは、1999年タウンエース/ライトエース・ノアに搭載する計画が始まってから。
しかしこのモデルはマイチェンモデルだったため、制約も多くドアにメインユニットを内蔵するのは難しく「プッシュケーブル式」しか採用できなかったが、その後、さまざまな問題を解決し、2001年のノア/ヴォクシーについにドア内蔵駆動システムを搭載。これがヒットの源流になる。
もちろんその後も改良が加えられ、安全で使いやすく、しかも効率に優れたシステムになっていった(前記した重量増というデメリットも解消しつつある)。
そうした努力が実り、現在、アイシンの大きなシェアにつながったといっていいだろう。
■まとめ
スライドドアのメリットは国内のみならず海外でも認識され、ルノーカングー、VWシャラン、ベンツVクラスなどにも採用されているが、日本ほど多くないのが現状だ。
やっぱり日本人は、襖、障子の文化とともに1000年以上生活してきたから、スライドドアとの相性がいいのかもしれない。
もしかしたらスライドドアには日本人のDNAが埋め込まれているのかも。そう考えると愛車のスライドドアを開ける時、ちょっと嬉しくなりそうだ。
なのでこれからもスライドドアは増えていくこと間違いなし! 当サイトも応援しています。
【番外コラム】 スライドドアはさまざまな場所で活躍している
今回テーマにしたクルマのスライドドア。それは日本の引き戸が原型になっているようだが、省スペースなその機能は、現在さまざまなところで使われている。
一番よく知られているのは電車のドア。これがヒンジ式だったらかなり使いにくいはず。そのほか、ヘリコプターにまで使われている。やっぱり機能的なところがメリットか!?
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