VW電気ミニバン「ID. BUZZ」の市販モデルを2022年発表へ 日本導入はどうなる!?

■ID. BUZZの市販車はどうなる?

 コンセプトカーの時点でクルマの土台となるプラットホームはすでに市販されている『ID. 3』などに採用されているEV専用で高い拡張性も持ち、リアモーターを基本とする「MEB」を使うとされていた。

 コンセプトカーのボディサイズは全長4942×全幅1976×全高1963mm、ホイールベース3300mmとなっており、市販車のボディサイズは全高はさほど変わらずとも全長と全幅は若干小さくされ、現在の『シャラン』(全長4855×全幅1910mm)に近いものとなるのではと予想される。

シャラン級のボディサイズに111kWh級バッテリーを搭載。廉価版に50kWh級仕様が追加されるかもしれない
シャラン級のボディサイズに111kWh級バッテリーを搭載。廉価版に50kWh級仕様が追加されるかもしれない

 駆動用バッテリーは床下に置かれ、駆動用バッテリーの容量はコンセプトカーの111kWh(コンセプトカーの航続距離は550km以上)に近いサイズに加え、50kWh級の普及版が設定される可能性も高い。

 モーターはコンセプトカーでは前後に配置され、4WDとなる2モーター仕様は市販車にも確実にラインナップされるだろう(2モーター仕様のコンセプトカーの動力性能は前後合計で374ps、0-100km/h加速5.0秒、最高速160km/h)。また、駆動用バッテリー同様に普及版としてリアモーターのみの仕様も時期はともかくとしてありそうで、いずれにしてもID. BUZZの市販車は駆動用バッテリーとモーターの組み合わせによるバリエーションの拡充も期待できるだろう。

 コンセプトカーのエクステリアは「ユーモラスなワーゲンバスのエクステリアを現代に蘇らせた」という言葉に尽きる印象だったが、市販車もコンセプトカーのエクステリアを市販できるよう最低限の手を加えるという程度の変更に留まるのではないだろうか。

 インテリアはコンセプトカーのものはワーゲンバス同様のシンプルさに加え、四角いハンドルにウインカーやシフトボタンといった操作系を集約させ、大型モニターも組み合わせて運転するというイメージだったが、市販車はコンセプトカーのイメージを可能な限り盛り込むというイメージだろう。

 EV化により特に室内長の長さが目に付く広いキャビンは、コンセプトカーが8人乗りだった点は市販車も踏襲し、市販車のシートアレンジもコンセプトカー同様にテーブルも設置できる1、2列目の回転対座モードやフルフラットモードなどを備え、停止中にも楽しく過ごせるキャビンとなるに違いない。

広大なキャビン。シートアレンジに自由度がありそうだ
広大なキャビン。シートアレンジに自由度がありそうだ

 さらにID. BUZZは商用仕様の登場も有力視されており、商用仕様はカスタマイズによりキャンピングカー仕様など、乗用仕様以上に自分に合った空間を造りやすくなるだろう。

 また、ID BUZZのコンセプトカーは自動運転を目指したモデルだったが、この点に関しては2021年2月26日にVWが発表を行っている。

 発表の内容を要約すると「VWはMEBプラットホームの供給や自動運転分野で手を組んでいるフォードともに、自動運転用のソフトウェアの専門会社であるアルゴA1の手も借り、自動運転技術自体の開発とタクシーやトラックのような自動運転による輸送の実現を目指しており、その1号車はID. BUZZになる」というものだ。

 自動運転に関する技術がID. BUZZの市販車にどの程度盛り込まれるのかはさておきとして、ID. BUZZの市販車が登場した際にはこの点も非常に楽しみだ。

商用車仕様は、ランク3以上の自動運転車両となるかもしれない
商用車仕様は、ランク3以上の自動運転車両となるかもしれない

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