「手動運転」は100年後も滅びず!? 自動運転“後”の世界

自動運転は運転の楽しさに不可欠な“切り札”

運転
車をより安全に、運転する楽しみも残し続ける。人と車の共同作業が本当の意味での自動運転なのだ

 これまでは人が運転操作を100%行う“手動運転”の世界でした。それがこの先、車載センサーの高度化や解析技術の発達によって“協調運転”が本格化し、その協調度合いも益々高まっていきます。

 つまり、多くの自動車ユーザーが描いている自動運転の世界は、システムとの協調運転がどんどん高度化することで実現するとすれば、自動運転技術はドライバーによる運転の楽しみを一日でも長く保っていくために不可欠な切り札なのです。

 加えて、自動運転技術がもたらしてくれる運転の楽しみはこれからも一層の広がりを見せます。

 ホテルなどでの「バレーパーキング」の領域では、ドライバーが介在しなくとも自動走行状態が保たれる「自動化レベル5」が実用化されようとしていますが、同時に過疎地域におけるコミュニティバスにおいても「自動化レベル4」相当の技術開発が急ピッチで進められています。

 産官学連携プロジェクトでは、超高齢社会における人々の移動を自動運転技術によって確保するため、一昨年あたりから本格的な実証実験を継続しています。

ホンダが2013年に公開した自動バレーパーキングのイメージ図
ホンダが2013年に公開した自動バレーパーキング(ホテルやレストランの駐車サービス)のイメージ図。

 また、将来的な自動運転技術の普及によって、目や耳が不自由な方々がこれまで以上に移動の自由を得られるのではないかとの研究も進みます。これはQOL(=生活の質)を向上させるためにも重要な課題です。

 私事で恐縮ですが、2018年夏、盲学校に通われる生徒さんを対象にした講演会で「自動運転の世界」をお伝えする講師役を拝命しました。

 ボタン一つで目的地へ……。こうした世界に憧れ、そして夢見る一方で、現実社会では自動運転を見据えた新たなる協調運転の時代が始まります。

 これを踏まえていくならば、この先も自動運転社会における運転の楽しみはなくなりません。

 それどころか、訪れる協調運転の時代では、ドライバーはシステムの運転サポートを受けながら、時にシステムが苦手とする領域でドライバーが主役となるという、我々が経験したことがない協力関係にも似た未知の世界が待っているのです。

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