■トヨタ初代RAV4/1994年登場
初代RAV4は初代エスクードに影響を受けたコンパクトSUVで、3ドアボディでスタートしたことも初代エスクードと同じだった。
しかし、初代RAV4はパワートレーンを2L級のFFレイアウトの乗用車用を流用したうえ、モノコックボディを採用して今でいうプラットホームやサスペンションを使うなど、それまでの“クロカン”にはなかった乗用車ベースのコンパクトSUVというのが新しかった。
また、初代RAV4の3ドアボディのスタイルは今見てもキュートで、スペシャリティカーのような魅力も備えていた。
さらに初代RAV4は、初代エスクード同様に5ドアボディをデビュー翌年の1995年にラインナップ。
1996年のマイナーチェンジではスポーツモデル用である3S-GE型の2Lエンジン搭載車や、ボディ後半が幌となる3ドアのソフトトップ、内外装のカラーを多数のパターンで自由に組み合わせられるパーソナルセレクションを追加するなど、ラインナップの充実化が図られた。そして、2000年に2代目モデルにバトンタッチした。
なお、RAV4は2代目モデルまではコンパクトSUVだったが、2005年登場の3代目モデル以降はミドルSUVへとクラスアップしている。
■三菱パジェロJr./1995年登場
三菱自動車は1990年代中盤までパジェロがドル箱的存在だったこともあり、1994年に3ドアのパジェロをそのまま軽自動車にしたようなスタイルを持つパジェロミニを発売した。
このパジェロミニは軽自動車ながら4WD+ターボとなる最上級グレードにオプションを多数装着すると200万円に届く高額車だったが、魅力的なモデルだったこともあり大ヒット車となった。
そのパジェロミニを前後バンパーの大型化とオーバーフェンダーの装着でボディサイズを拡大し、エンジンも4気筒の1.1Lとすることで小型車化したのが1995年登場のパジェロミニである。
ジムニーとジムニーシエラ同様の成り立ちを持つパジェロJr.は、パジェロミニに対して、動力性能に余裕ができたことによる燃費や悪路での扱いやすさ、オンロードでの走行安定性の向上といったアドバンテージを持っていた。
売れたのは軽自動車の維持費の安さなどもあってパジェロミニだったが、パジェロJr.はジムニーシエラにも通じるマニアックな魅力があった。
パジェロJr.は、5ドアボディのコンパクトSUVとなるパジェロイオが後継車として1998年に登場したことで絶版。パジェロイオも2007年に絶版となって以来、三菱自動車からコンパクトSUVは登場していない。
■ダイハツテリオス/1997年登場
![クラス唯一の5ドアボディに、モノコックにラダーフレームを溶接したビルトインラダーフレームを採用。オフロードでの走破性を重視した大径ホイールを装着。写真の軽自動車のテリオスキッドはファミリーカーとして高い人気を誇った](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2020/01/09144601/20200110_idaina_terioskid_02-600x409.jpg)
1997年登場のテリオスは、翌1998年の軽自動車の規格改正の際に登場した軽のテリオスキッドも視野に入れて開発されたコンパクトSUV。エンジン縦置き構造の4WDとなる点など、ジムニーシエラやパジェロJr.に近い存在のコンパクトSUVだった。
ジムニーシエラやパジェロJr.とテリオスキッドの大きな違いは、ジムニーシエラとパジェロJr.が3ドアボディのみだったのに対し、テリオスキッドは5ドアボディのみだったことだ。
そのため、ジムニーシエラやパジェロJr.に対しテリオスキッドのほうが、ファミリーカーとしても使いやすいコンパクトSUVだった。
テリオスは2006年に後継車のビーゴが登場したことで絶版になり、ビーゴも2016年に絶版となった。しかし、その後継車的存在となる2019年登場のダイハツロッキー&トヨタライズが好調に売れているのは、空白期間はあるにせよ、ダイハツがコンパクトSUVを作り続けているメーカーだからかもしれない。
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