■実力均衡の2021年は開幕戦でやっと戦力がわかる!?
そこから約3ヶ月の2021年3月に始まったシーズン前の公式合同テスト。3月6日~7日には岡山国際サーキット、3月27日~28日には富士スピードウェイでそれぞれテストが行われた。
岡山ではホンダが速さを見せた一方で、富士ではトヨタと日産が上位につけるという結果になったが、テストでは本番に備えて様々なことを試すため、ここでの結果はあくまで参考にしかならない。
ただ、関係者の間で聞こえてくる話を総合すると、開幕戦の岡山は“3メーカーとも横一線”という状況のようだ。例年なら、どこかのメーカーが有利になりそうという話もあるが、昨年のチャンピオン争いを見ても分かる通り、2020年に導入されたマシンはメーカーごとの差が少なく、接戦になる傾向だった。
その流れは基本的に2021年も同じ様子。各社とも新しいマシンの熟成が進んできているため、その差はさらに縮まっているようだ。
39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネンは「今年はリスクを承知の上で攻め込んでいかない場面も出てくるかもしれない。それだけ競り勝つのが大変なくらいの接戦になると思う」と予想。
また昨年王者の1号車STANLEY NSX-GTの山本尚貴は
「NSX-GTが得意としているところとライバルが得意としているところが違います。特にストレートではGRスープラ勢が速いなという印象でした。僕たちは開幕戦の舞台となる岡山の方が部がありそうなので、そこでしっかりとポイントを稼いでいきたいですね」と語っていた。
これまでにないほどの接戦が予想されるGT500クラス。誰が最終的に栄冠を勝ち取るのか……まずは開幕戦の行方から目が離せない。
一方、GT3車両や国産のJAF-GT車両など多種多彩なマシンが出揃うGT300クラス。テストでは昨年王者の56号車リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が安定した速さをみせており、今年も日産勢が有利という噂がもっぱらだ。
しかし、今年のテストで際立った動きを見せていたのが、昨年あと一歩のところで王座を逃した65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)だ。
岡山、富士の両テストとも安定して上位にいたほか、例年とは異なり、菅波に様々なテストを担当させる機会を増やしており、チーム全体でさらなるレベルアップを図っていた。おそらく56号車の最大のライバルとして、立ちはだかることになるだろう。
その他にも、ここでは挙げきれないくらいの有力チームやマシンが揃っているGT300クラス。花形のGT500クラスに負けないくらいのバトルに期待だ。
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