近年、モータースポーツの人気が日本では低い。いや低いというレベルを通り越して、もはやマニアックな層しか知らないなんて空気感もあるほど。
そもそものクルマ離れもあるわけで、サーキットで300km/hに迫るスピードで走っているマシンに興奮する層が少ないのも理解できる。
しかーし!! 自動車媒体としてはモータースポーツはれっきとした文化であり、最先端技術が求められる技術革新の場として伝えていく責務もある。
今回は幼少期からのモータースポーツ好きが高じて、モータースポーツジャーナリストになった吉田知弘氏にスーパーGTの魅力をまとめてもらった。
文/吉田知弘、写真/塩川雅人(ベストカー)
【画像ギャラリー】生で、映像で、ベストカーで!! 日本最大のモータースポーツイベント「スーパーGT」を楽しむ!!
■F1王者も”挑んだ”ニッポンのモータースポーツ
国内で最も人気を誇るモータースポーツとして、今もファンが増え続けているスーパーGT。近年ではジェンソン・バトンをはじめ海外から有名なドライバーが参戦することもあり、今は日本のみならず世界中から注目を集めるツーリングカーレースとなっている。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、スケジュールが大幅に変更され、異例の7月開幕に。さらに長距離移動による関係者の感染リスク低減のため、開催場所を富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎの3ヶ所に限定するという、まさに“変則的なシーズン”となった。
しかし、関係者らの尽力もあり2021年は岡山国際サーキット、スポーツランドSUGO、オートポリスの3会場が復活。全国各地でスーパーGTのアツい戦いが再び観られることとなった。
スーパーGTの最大の特徴といえば、異なるふたつのクラスが混走して、それぞれのレースを争うこと。それが、時には波乱が起き、勝敗を分ける重要な局面を生み出す瞬間もある。昨年も両クラスとも最終戦のレース終盤まで激しい年間王者争いが繰り広げられたのだが、今年はさらに激戦のシーズンとなりそうだ。
ホンダ、トヨタ、日産の3社がしのぎを削るGT500クラス。昨年は最終戦の段階で全15台中10台にチャンピオン獲得の可能性があり、最終的にゴール手前500mで決着がつくという劇的な幕切れとなり、100号車RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)がチャンピオンを獲得した。
2020年からの規定変更に伴い、それに準拠するためホンダはNSX-GTをFR化を決断。最初はマシンの熟成に遅れ、陣営内からは苦戦を予想する声も聞こえていたが、後半戦に入るとセッティングも煮詰まってきた様子で、最終的にライバルも恐れるようなパフォーマンスを身につけた。
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