このままがいい? 変革が必要? クルマが売れない理由は販売方法にもあり

■オンライン販売を生かせばいい!!

【代替えサイクルが伸びたが販売の体制は変化がない】片岡英明

新車の販売は、昔も今も、地域に根付いたディーラーと呼ばれる自動車販売店が行っている。元気がいい時は集客用のチラシをバンバン配り、週末には盛大に展示会を催していた。

が、クルマの耐久信頼性が大きく向上し、代替えサイクルが伸びた今は、ユーザーがなかなかディーラーに足を向けなくなっている。

また、少子化による人口減少やユーザーの高齢化、生活様式の多様化によってクルマ選びも変わってきた。販売ディーラーは店舗の家賃や人件費がかさむし、販売促進の費用もバカにならない。

これまではクルマのメンテナンスや自動車保険などのアフターサービスで儲けてきた。が、自動車の保険もネットに移行しつつあるなど、これから先は利益を増やすのが難しい。

他の業種はネット販売が増えているが、販売価格が数百万円になる新車の販売手法は昔から変わっていないのだ。

だが、少子化で市場規模は縮小傾向だから、販売方法を改革する必要がある。

そのひとつが、ディーラーや販売店での販売に加え、インターネットを使って新車のメーカー直販を行うことだ。

BMWがi3をAmazonで販売をしていたがその後は定着することはなかった
BMWがi3をAmazonで販売をしていたがその後は定着することはなかった

食わず嫌いな人も多いが、工場と販売を直結したほうが効率はいいし、商談もスピードアップが可能になる。
また、アメリカから押し寄せたオンラインショッピングも有望な販売手段だ。

パーツやアクセサリーだけでなく、クルマそのものもオンラインで購入できるようにするのである。ディーラーから遠い人や忙しい人には便利だ。

2020年以降は排ガス規制も厳しくなる。当然、EV比率は高まり、自動車以外の分野からの参入も多いはずだ。

ベンチャー企業がEVの生産に名乗りをあげ、家電メーカーが手がけたEVが登場する可能性も高いのである。

電動スクーターがそうであったように、これからは大手スーパーチェーンや家電量販店などで新車を販売することも夢物語ではない。

【編集部のまとめ】

新車販売の方法を変えなくていいのか? というと、市場規模の縮小傾向がずっと続いているだけに、もちろん販売方法を変えるべきというのが3人とも共通する見解。

国沢氏は「もっとお買い得なクルマ」、渡辺氏は「復数メーカーのクルマが買える量販店」、片岡氏は「インターネット販売」という、それぞれ異なる新たな販売方法を論じてくれたわけだが、いずれの案もあっていいのではないだろうか。

読者のなかには魅力的なクルマがあってそれが手に届く価格であれば販売方法は……、という意見もあるだろうが、そのいっぽうでやはり売り方も大事だと考える。

なかでも渡辺氏の提案は、競合車も同時に一カ所の販売店で実車を見て比較しながら検討できることになれば、これは便利で楽しそう。

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