■フェルスタッペンの活躍に溜飲を下げる
角田選手は、スタートの際に混乱に巻き込まれ、一時は16位に転落。セーフティーカー明けは、ウィリアムズのホープ、ジョージ・ラッセルに押さえ込まれてしまいます。そして、そのせめぎ合いの結果、タイヤも消費してしまい、ドライバーの中でも早めの22周目にピットイン。
ハードタイヤに交換して、残りの44周目を戦うことになりました。ポルトガルGPでは、基本的にどのチームも1ストップだったので、早めにピットインしてしまうと、最後までタイヤを持たせるのは至難の技。角田選手もピットアウト後の15位を守るのが精一杯で、そのままチェッカーフラッグを受けることになりました。
結果だけ見れば、本人にとって満足のいくものではないと思うのですが、前回のエミリア・ロマーニャGPを教訓に、今回は大きなミスなく完走できたことは良かったのではないかと思いました。チャレンジと振り返りを繰り返すことで、彼にとって更なる成長につながればと思います。
レースは、後半にデットヒートが繰り広げられ、絶妙なタイミングでピットインしたフェルスタッペンがボッタスを交わし、2位に浮上。その後、ハミルトンに追いつくことはできなかったものの、メルセデスとファステストポイントを巡って、大バトルを演じました。
最後の最後、ファイナルラップにファステストポイントを奪ったかに見えたフェルスタッペンでしたが、トラックリミットにより、残念ながらタイム抹消。ファステストポイントはボッタスの手に渡りました。
フェルスタッペンがファステストポイントを獲得できなかったのは残念でしたが、F1ファンとしては、最後まで熱狂して観戦することができた最高のレースでした。
■ファーストドライバー優先は当たり前! ルーキーは皆経験する試練だ
今回、角田選手について気になったのは、結果よりもレース後のコメント。
「チームメイトのガスリーとマシンのセッティングが上手く合わない」という発言があったのです。これは、どのチームでも往々にしてあること。チームのファーストドライバーのコメントがどうしても優先されるため、セカンドドライバーが乗りづらいマシンになってしまうことがあるのです。
実は、ガスリーもレッドブルにいた時に、それに悩まされたひとり。ファーストドライバーのフェルスタッペンとのセッティングがなかなか合わず、結果が示せなかったので、アルファタウリへ降格されたのです。同じくレッドブルにいたアレックス・アルボンに至っては、F1を離れなければいけなくなりました。
このように、ドライバー間のセッティングの違いによって結果が出しきれず、チームにいられなくなる選手もいるのです。
角田選手も、単純にF1ドライバーとしての腕を磨くだけではなく、チーム内でのマシンセッティングやエンジニアとのコミュニケーションも円滑にしなければならない……ルーキーにとっては、まだまだたくさんの試練が待ち構えていると感じました。
次戦以降は、レースの結果ももちろんですが、そういったレースの裏側にも注目しながら観戦したいと思います。
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