ガバっと開きすぎて怖い…どうにかなり…ません!! クルマのドアの開く角度が調整できない事情

ガバっと開きすぎて怖い…どうにかなり…ません!! クルマのドアの開く角度が調整できない事情

 あまり広くない駐車場でクルマを降りる際、クルマのドアが隣のクルマにあたって傷をつけてしまう、いわゆる「ドアパンチ」をしないよう、ドアを押さえながら身体をくねらせて降りることがあるかと思う。

 しかしながら、強風の日は風に煽られて予想以上にドアが開いてしまったり、また、お子さんが急に「バン!!」と開けてしまうなど、ドアパンチの危険は常に日常に潜んでいる。

 筆者も、なんと自分の目の前で、自身のクルマにドアパンチされてしまったことがある。大切にしているクルマにドアパンチをされると、ボディも凹むが、なにより気持ちが凹んでしまう。

 しかしそもそも、ドアがたくさん開かなければ、ドアパンチは防げる。クルマのドアの開放角度は調節できるものなのだろうか。

文:吉川賢一
写真:TOYATA、NISSAN、HONDA、SUZUKI、DAIHATSU、写真AC、Adobe Stock、エムスリープロダクション

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開放角度は調節できない

 結論から言うと、クルマのドアの開放角度は調節できない。クルマのドアは、ヒンジを介してボディに取り付けられているが、最大開放角度は、ドア開閉時の節度と開度を一定に保持する「ドアチェッカー」によって規定されており、ユーザーが角度調節を容易にできないようにしている。

クルマのドアの開放角度は、ユーザーが任意に調節できないようになっている(PHOTO:写真AC_FineGraphics)
クルマのドアの開放角度は、ユーザーが任意に調節できないようになっている(PHOTO:写真AC_FineGraphics)

 ドアチェッカーとは、ドアを開くとすぐに見える位置にあるパーツだ。段付きの黒いアームをプレートで挟み込み、強弱の抵抗感を与えることで、ドアが2-3段階に分かれて開く「段付き開放」をするようにしている。

 ちなみに、この抵抗力の大きさによって、しっかり感や高級感を与えることもできる。また、ドアの最大解放角度を決めているストッパーが、このドアチェッカーについている。

ドアを開くとすぐに見える位置にあるドアチェッカー。段付きの黒いアームをプレートで挟み込み、強弱の抵抗感を与えることで、ドアが2-3段階に分かれて開く「段付き開放」をする
ドアを開くとすぐに見える位置にあるドアチェッカー。段付きの黒いアームをプレートで挟み込み、強弱の抵抗感を与えることで、ドアが2-3段階に分かれて開く「段付き開放」をする

 ドアの最大解放角度は、自動車メーカーのエンジニアが、ドアの操作感などを、緻密な設計をして決めている。そのため設定されている最大解放角度だけを変えてしまうと、「最大解放位置でドアの保持が出来ない」や、「操作力が極端に重たくなる(逆に軽くなる)」など、色々な不都合が懸念される。

 もしも、最大解放角度を変えるならば、閉じ力や段付き開放を再設計して、ドアチェッカーごと変える必要があるのだ。

 そのため、万が一、ユーザーが自分で、他のドアチェッカーと交換するなどしてしまうと、最大解放角度は調節できても、操作力がめちゃくちゃになってしまうことにつながってしまう。小さくて地味な部品だが、設計段階で十分考慮されていることは、覚えておいてほしい。

ユーザーが自分で、他のドアチェッカーと交換するなどしてしまうと、最大解放角度は調節できても、操作力がめちゃくちゃになってしまうことにつながってしまう(PHOTO:AdobeStock_pathdoc)
ユーザーが自分で、他のドアチェッカーと交換するなどしてしまうと、最大解放角度は調節できても、操作力がめちゃくちゃになってしまうことにつながってしまう(PHOTO:AdobeStock_pathdoc)

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