なぜSUVの後席にはリクライニング機能が搭載されないのか?


■<余話>高級セダンの後席リクライニングは、後頭部がぶつからないのは何故か?

 少し前まで、セダンの後席といえば、はめごろし(スライドもリクライニングもできない)が多かったが、近年は、シートバックが前へ倒れてトランクスルーになるものや、リクライニングができるものも増えてきた。特に、高級車(レクサス『LS』や日産『シーマ』など)には、後席にパワーリクライニングシートが設定されていることが多い。

 しかし、後席乗員の頭のすぐ後ろまでリアガラスが迫っているセダンで、なぜ頭をぶつけることなくリクライニングすることができるのか。

 実は、背もたれを倒すのと同時に、座面を前方へスライドさせて、頭部がガラスに接触しないようにしているのだ。だが、尻の下には燃料タンクがあるため、スライド機構を入れるには、尻下のクッションの高さを削る必要があるが、この尻下のクッションが柔らかいと、座ったときに底着きしてしまって、ゴツゴツすることも考えられる。そのため、底着きしないよう、クッションのウレタン硬度を上げて対策を入れていたりもする。

 当然座り心地は硬くなる。スライド機構は無いほうが「フカフカ」な座り心地のシートだったりするのだ。

 昨今、社長や役員の移動車両が、高級ミニバンへと乗り換わっているように思えるのは、座り心地のよさを優先した、という理由も関与しているのかもしれない。

日産『シーマVIP』に備わるパワーリクライニングシート。背もたれを倒すのと同時に、座面を前方へスライドさせて、頭部がガラスに接触しないようにしている

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