■3L、直6ターボを搭載する80スープラ
ダウンサイズターボが一般化する前のターボは、「排気エネルギーを再利用するから効率がいい」といいつつもそれは単なる建前で、実体としては純然たるパワー増強装置に他ならなかった。
その辺のエッセンスを味わいたければ、R32〜R34GT-Rをはじめとしてスープラやエボ/インプなど、1990年代を彩ったスポーツモデルに乗るのが一番。
残念ながら、最近は中古価格の高騰でこの手の絶版スポーツを気軽に味わえなくなってしまったが、どれも現在の洗練された高性能エンジンとはひと味違う野性味たっぷりなパワーフィールが印象的だ。
そんななかで、僕が個人的に再評価したいのは80スープラの2JZ-GE型だ。3L、直6ターボで280psというのは当時の標準的なスペックだが、4WDのGT-Rと違って純然たるFRなのがミソ。これが貴重なのだ。
新車当時、80スープラを試乗した僕の率直な感想は、大柄なボディでもっさりしてるし、FRですぐ後輪がブレークして「前より横に進みたがる」といったもので、決して評価は高くなかった。
ところが、いま80スープラを見ると「何コレ? 86/BRZとサイズ感同じじゃん」とむしろコンパクトに感じるし、「このサイズのFRでトルクが46kgmって86/BRZの2倍かよ!」という感じで評価一変。今こそ乗りたいクルマとして急浮上してきたのだ。
馬力やトルクそのものに関していえば、高性能車があふれてる現代では大した驚きはないのだが、それが小ぢんまりしたクーペボディのFRとしてまとめられているのが80スープラの魅力。
とりあえず中古は300万円代からあるから、高騰しちゃったR34GT-Rなんかに比べるとハードルは低いし、ちょっといじって遊びたくなるクルマではありますね。
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