■1962年2代目から1979年6代目のクラウン
1962年秋に初めてモデルチェンジを行い、2代目は4灯式ヘッドライトの伸びやかなフォルムとなる。2代目で特筆したいのは、ワイドボディに日本初のV型8気筒エンジンを搭載したVIPセダン、クラウンエイトを仲間に加えたことだ。
1965年夏には2Lの直列6気筒SOHCエンジン搭載車を投入。これ以降、6気筒エンジンを積んでいないと高級車と呼ばれなくなる。また、トヨグライドは日本で初めてフルオートマチックへと進化した。
3代目クラウンは、国際商品として通用する高品質と優れた安全性能を売りに、1967年9月に登場する。オーナーカーとしての性格を強め、快適性を大きく向上させた。そのために日本で初めてペリメーターフレームを採用している。
1968年秋には角形ヘッドライトとしたクラス初の2ドアハードトップを送り出した。時代に先駆けてパワーステアリングやパワーウィンドウも装備している。
1971年に登場の4代目は、個性的なエクステリアデザインが話題になった。が、メカニズム面でもっとも注目を集めたのは、電子制御燃料噴射装置のEFIを採用してクリーン性能と燃費を向上させた2.6Lの6気筒エンジンだ。
また、時代に先駆けて3速の電子制御ATや横滑り防止の後輪ESC(電子制御スキッドコントロール)も搭載する。
1974年秋に5代目を投入したが、衝突時の安全性を重視してセンターピラー付きの4ドアピラードHTとした。驚いたことに、ロイヤルサルーンのブレーキはフロント4ポッド式の4輪ベンチレーテッドディスクだ。
世界で初めてATをオーバードライブ付き4速タイプにし、日本で初めて車速感応式のパワーステアリングを採用したのも、この5代目クラウンの偉業のひとつと言えるだろう。
6代目は新しいメカニズムを積極的に採用し、スポーティ度を一気に高めた。ターボ搭載車や2.8Lの直列6気筒DOHCエンジン搭載車を投入したことによりファン層を大きく広げている。
■1983年「いつかはクラウン」の7代目から1999年11代目まで
1983年には「いつかはクラウン」のキャッチコピーが話題をまいた7代目がベールを脱いだ。今につながる電子デバイスを積極的に導入し、ハイソカーブームを牽引した。
日本初としては、スーパーチャージャー付きエンジンやABSの前身となる4輪ESCを採用し、メモリー付きチルト&テレスコピックステアリングは世界初の試みだ。スーパーホワイトのボディカラーも大人気で、これは社会現象にもなっている。
1987年登場した8代目では4ドアHTにワイドボディを設定し、DOHCエンジンは4バルブ化した。また、4LのV型8気筒エンジンやエレクトロマルチビジョン、ナビシステムの前身となる世界初のCDインフォメーションに加え、電子制御エアサスペンションも投入し、快適性と先進性に磨きをかけている。
トラクションコントロールは日本車として初採用だ。1990年夏には新設計の2.5L直列6気筒エンジンを搭載し、これも話題になる。
バブル期に開発された9代目ではマジェスタを加え、4輪ダブルウイッシュボーンのエアサスペンションによって重厚な乗り心地と軽快な走りを両立させた。
また、統合制御の新しい電子制御5速ATやマジェスタにクラウン初の4WDモデルを設定し、新境地を切り開いている。エレクトロマルチビジョンもGPSナビ付きに発展した。
10代目は慣れ親しんだフルフレーム構造からモノコック構造に変更し、走りの質感と実力を高めている。車両安定制御システムのVSCを搭載し、前席にエアバッグを標準装備するなど、安全性はさらに進化した。
1999年秋には11代目にバトンタッチし、2.5Lと3.0Lの直列6気筒は筒内直接噴射のD-4エンジンになっている。このクラウンで見逃すことができないのは、世界で初めてマイルドハイブリッドシステムを実用化したことだ。
コメント
コメントの使い方