いつの間にか寿命を縮めている!? タイヤを長持ちさせる運転&ケア術


 最近は、大径タイヤのSUV、それにベーシッククラスでも50扁平などの扁平率の低いタイヤを履くモデルが増えていて、このようなタイヤは価格が高いだけに、「交換時の出費が気になる」というドライバーも多いのではないだろうか。

 タイヤには経年劣化があるため、交換そのものを無理に先伸ばすことはできないが、何もしないで使っていると無駄にタイヤをすり減らしたり、劣化を進めて、寿命を縮めてしまうことがある。

 では、どうすればタイヤの寿命を縮めることなく使うことができるのか? タイヤをできるだけ長持ちさせる運転方法やケア術について、モータージャーナリストの斎藤聡氏が解説する。

文/斎藤 聡
写真/AdobeStock、ベストカー編集部

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■トラクションをかけすぎないで優しくスタート!

 最近のクルマときたら18インチは当たり前。オプションになると19インチや20インチなんてタイヤサイズも普通に見かけるようになりました。

 大柄になったクルマに大径ホイールのマッチングはバッチリ。でも問題は高価なこと。というわけで、かっこいい大径タイヤの走りをなるべく長く楽しめるドラテクとケア方法を紹介しようと思います。

 まあ、ドラテクというほど大げさなものではないのですが、運転の注意点としてまず覚えておいてほしいのが、トラクションをかけすぎないこと。特に停止状態から走りだす時、なるべく優しく走り出すように心がけてください。

ハイパワー系FRはタイヤの前後サイズが違う車種が多い。そしてトランクションがかかる後輪タイヤの摩耗が早い。発進加速はスカッといきたいが、その分タイヤも摩耗するので、穏やかにしよう

 これをやるだけで駆動輪の摩耗はかなり抑えることができます。特に後輪駆動のハイパワーモデルは、後輪だけが早く摩耗してしまいがちです。

 FFや4WDの場合は、一般的には前後のタイヤが同サイズなので、適当なタイミングでタイヤのローテンションをお薦めします。これは前後タイヤサイズが同じ後輪駆動車も同様です。

 理由は同じで駆動輪が摩耗しやすいからです。4WDは駆動トルクが4輪に分散するので、前輪か後輪だけ極端に摩耗するということはまずありませんが駆動トルクをかけすぎないように発進することを注意するだけで、タイヤの摩耗はさらに抑えることができます。

 もうひとつ、細かな走り方をすると摩耗を抑えるのに役立つ注意ポイントが、ハンドルをたくさん切って曲がるような路地や交差点の左折での走り方です。交差点内でアクセルを踏みながら曲がると、てきめんに前輪の外側(ショルダー部)が摩耗してしまいます。

発進時にグイっとアクセルを踏み込む癖は無いだろうか? 今は走り出しをモーターでアシストしてくれるクルマも多い。うまく活用してタイヤにも優しい加速を心がけよう

 これは交差点や路地でスピードを落とし過ぎ、再びアクセルを踏む、というシチュエーションが多いようです。

 適切なスピードで交差点に入り、早くも遅くもなく適切なスピードで曲がるというのは実はかなり難しいのですが、そうはいっても時速5キロ内外の話ですから、そこはちょっと意識して練習してください。

 空気圧はちゃんと入れているのに、うちのクルマはなぜかタイヤの外側だけ摩耗が激しい人はまさにそんな運転をしているかもしれません。

■走っている時の旋回スピードを少し抑えてあげるだけでもタイヤの減り方は違う

 上までは遅いスピードの話でしたが、こちらはもう少し早いスピードの話。タイヤがグリップの限界近くになると「ヒヒヒヒ~!」とか「キキキキ~!」といったスキール音を発するのは知っていると思います。

 クルマがバランスよく曲がっている時もこうしたスキール音は聞こえるのですが、問題なのはハンドルの切りすぎ(こじりすぎなどとも言います)で舵角が必要以上に大きくなって、音を発生させてしまっていることがあります。

 この走り方はてきめんにタイヤのショルダー部を摩滅させてしまいます。ハンドルの切り出しスピード(転舵スピード)が速いとこうなりやすんです。

 そのため、旋回スピードをほんの少しだけ抑えるとハンドル切りすぎによるショルダー部の摩耗を抑えることができます。車速を抑えるといっても5km/hも10km/hも抑える必要はありません。たいていの場合はほんの1km/hか2km/h抑えるだけでいいんです。

コーナリング時のハンドルの切り出しや微妙なスピードコントロール、またアクセルワークでもタイヤの摩耗の仕方が変わる。常日頃からタイヤとの対話を大切にすればタイヤも応えてくれる

 実は微妙なスピードコントロールや、アクセル操作でタイヤの寿命はぐんと伸びるんです。

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