■走っている時の旋回スピードを少し抑えてあげるだけでもタイヤの減り方は違う
上までは遅いスピードの話でしたが、こちらはもう少し早いスピードの話。タイヤがグリップの限界近くになると「ヒヒヒヒ~!」とか「キキキキ~!」といったスキール音を発するのは知っていると思います。
クルマがバランスよく曲がっている時もこうしたスキール音は聞こえるのですが、問題なのはハンドルの切りすぎ(こじりすぎなどとも言います)で舵角が必要以上に大きくなって、音を発生させてしまっていることがあります。
この走り方はてきめんにタイヤのショルダー部を摩滅させてしまいます。ハンドルの切り出しスピード(転舵スピード)が速いとこうなりやすんです。
そのため、旋回スピードをほんの少しだけ抑えるとハンドル切りすぎによるショルダー部の摩耗を抑えることができます。車速を抑えるといっても5km/hも10km/hも抑える必要はありません。たいていの場合はほんの1km/hか2km/h抑えるだけでいいんです。
実は微妙なスピードコントロールや、アクセル操作でタイヤの寿命はぐんと伸びるんです。
■定期的に空気圧をチェックするだけでもタイヤの長持ちにつながる
上に述べた話は、タイヤがちゃんとメンテナンスされていることが前提になります。単純に空気圧を指定空気圧にしてやればいいだけです。
タイヤの空気はタイヤにもよりますが2~3カ月すると空気圧が減ってしまいます。また外気温によって空気が膨張して空気圧が高くなったり、逆に収縮して空気圧が低くなったりします。
面倒だからと多めに空気圧を入れておくと、タイヤのトレッド面(≒接地面)の中央が膨らんでタイヤの中央だけが摩耗してしまいます。反対に空気圧が少ないと、真っ直ぐ走っているだけなのに両サイドが摩耗してしまいます。
もちろん空気圧が少ないとタイヤの変形量が大きくなってタイヤのショルダー部に負担がかかってしまいます。
低扁平タイヤはサイドウォールが薄いので、変形具合が目立たないのですが、タイヤの負担は大きくなります。ですからできれば毎月空気圧を指定空気圧にセットしてほしいところです。せめて季節ごと年4回は気温の変化に合わせて空気圧のチェックをしてみてください。
■タイヤは生もの。長くて4年で交換くらいがベストな使用法。かと言って過度のケアも不要
先にも触れましたが、もうひとつメンテナンスで有効なのがタイヤのローテーションです。これは前後同サイズのクルマに限ります。前輪アウト側はハンドルを切るためどうしても摩耗しやすいので、定期的に交換してやることで、前後輪の摩耗差も少なくすることができます。
それほど頻繁に行う必要はないと思いますが、空気圧をチェックするごとにタイヤの摩耗具合にも気を遣っておくと、適切なローテーションのタイミングを逃さずできると思います。そのためにも、じつはタイヤの空気圧のチェックは月イチくらいで行うといいと思います。
タイヤにちょっとだけ気遣ってやるだけで、無用なタイヤの摩耗を抑えることができると思います。もちろんタイヤは生もので、コンパウンドの性能が期待できるのは長く使っても4年くらいです。
年間1万㎞としても4年が限度といったところだと思います。必要以上にロングライフにこだわってもタイヤ自体が性能を落としてしまいます。タイヤは4年程度で上手に使い切るようなペースで走るのがいいと思います。
耐久性の点でメンテナンスのアドバイスをもうひとつ。タイヤワックスの件です。これにはいろいろな意見があるようですが、個人的には、汚れたら軽い水洗いでOK、だと考えています。ワックスといってもゴムの保護剤ではなく黒く艶々に見せる化粧品みたいなものです。
タイヤには劣化防止剤が配合されていて、これが微量ずつタイヤのゴム表面ににじみ出ているので、ワックスをかけると油分が反応して劣化防止剤が抜け出てしまうん(だそう)です。
なので、メンテナンスは水洗い、それも洗剤をつけてブラシでゴシゴシではなく、軽くで充分ということです。どうしてもワックスをつけたい場合は「水性」のものを選ぶと劣化防止剤への攻撃が少ないようです。
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