雨の日はパンクにご注意を! 雨とタイヤのフシギな関係!?

■乾いたタイヤと濡れたタイヤで実験

ボルトがタイヤに対してまっすぐ刺さっている事例。作業は雨上がりの2日後です
ボルトがタイヤに対してまっすぐ刺さっている事例。作業は雨上がりの2日後です

 これは最初に務めていたタイヤ屋の社長に教えてもらったんですが、「タイヤ(乗用車クラス)のサイド部分等を乾いた状態で切っても切りづらいけど、水で濡らすと切りやすくなるんだよ」というもの。

 タイヤが雨でスリップするのと同じ原理で、刺さった異物が水膜の上を滑るので、少ない抵抗でタイヤの中に刺さる……といったイメージでしょうか。

 そんなわけでちょっとした実験をしてみたんですよ。本当にタイヤが濡れた状態だとパンクしやすいのか、と。実験と申しましても「ちゃんとした」ものじゃございませんからね。個人的な興味からゼロ予算で実施した実験ですので、「参考の参考」までに、突っ込みは厳禁です(笑)。

 用意したものは水、カッター、そしてライトバン用の超~すり減った廃タイヤです。ホイールにタイヤを組んでエアを充填した実際の装着状態ではなく、タイヤ単体で実施しました。なので、単純に水膜ができることによって本当に異物が刺さりやすいかどうかの比較になると思います。

 まずはタイヤのサイド部分を乾いた状態と水で濡らした状態でカッターで切りつけてみました。感覚的にはハッキリとした差はなく、水で濡らしたほうがなんとなく切れやすいかな、といったレベルです。

■さらにタッピングスクリューでねじ込んでみると……

ビスをねじ込んでパンクの疑似実験。写真は乾いた状態の時
ビスをねじ込んでパンクの疑似実験。写真は乾いた状態の時

 で、今度はタッピングスクリュー(木ねじ)をねじ込んでみました。ドライバーでねじ込んでいき、ネジの先端が同じ長さになるまでのネジの回転数の差を見るというもの。材質が柔らかいと少ない回転数で貫通し、硬いと回転数が多くなるイメージでしょうか。

 あとはねじ込む時のドライバーを押さえる力加減なんですが、スタートはタイヤにビスを当て、倒れない程度に抑えてビスの先端がタイヤに食い込むまで回し始め、貫通(ネジの先端から一山)までの回転数を見ていきます。

 ドライバーを押さえる力加減って本当に同じかぁ~? って思いがあるでしょうが、まぁその辺は……、信用してください(笑)。

こちらは「水膜」を作ってねじ込んでいる様子。ある部分から「グイッ」っと入っていく感じ
こちらは「水膜」を作ってねじ込んでいる様子。ある部分から「グイッ」っと入っていく感じ

 最初はトレッドの真ん中付近のブロックで実施してみました。乾いた状態で46回転です。次に同じブロックを水で濡らし先程の穴のすぐ横に同じビスをねじ込んでいきます。ドライバーを押さえる力に注意しながらねじ込んだ結果、21回転でした。やはり少ないです。

 ただ「たまたま」かもしれないのと、すり減った廃タイヤですので同じブロックとはいえ微妙な高さの差があるかもしれないので、他のブロックや溝、タイヤのショルダー部分、サイド部分で合計6か所測定し、平均を出したところ、乾いた状態で41.2回、濡らした状態で20.6回という結果が出ました。

 ネジの回転数が10回を超えた辺りから、濡れて水膜があると「グイッ」とネジが急に入っていくような感覚があり、あっという間に貫通する感じですね。やはり濡れた状態のほうが貫通しやすいようです。

 雨の後にパンクが多い。「本当か?」とお思いの方も多いと思いますが、雨天の走行後にはタイヤをいつもより注意深くチェックしていただいて、パンクを早期に発見していただけたら幸いでございます。

【画像ギャラリー】雨の日はタイヤがパンクしやすい!? 雨とパンクの因果関係を『自主的な研究発表』してみました

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