後発ライバルも敵わなかったスバルの革命児
■スバル 初代レガシィツーリンワゴン(1989-1993年)
レガシィはスバルの各モデルが時代遅れになっていたことで経営不振に陥っていた頃、起死回生を掛けてエンジン、プラットホームなどすべてを一新したモデルとして登場。
レガシィ登場以前、日本ではステーションワゴンと言われてもライトバンのようなイメージが強く、成功したのはカペラカーゴくらいだった。
そうしたなか、特にツーリングワゴンは、カッコよさやスキーなどのアウトドアにも強いスバルの定評ある4WD、登場初年度に追加されたターボエンジンを搭載する「GT」によるスポーツワゴンという明確なキャラクターなどにより、大成功を収めた。
当然、トヨタ カルディナ、日産 アベニール、ホンダ アコードワゴン、三菱 レグナムといったフォロワーが登場したのだが、高いブランドイメージや明確なキャラクターを持つ上に機能も優れていたレガシィの牙城を崩すモデルは、結局現れなかったこともレガシィの凄さだった。
トヨタ、日産、ホンダを食う現行車は?
まず思い浮かぶのはマツダCX-8だ。CX-8はマツダが3列シートミニバンから撤退したこともあり、ボディの大きさも生かした「3列目もシッカリ使えるSUV」というコンセプトを強調。
「3列シートは必要だけど、本当に3列ミニバンが必要なのか?」と考えるユーザーも相当数いるようで、今のところ400万円近い高額車ながらマツダの中で1クラス下のCX-5を上回るほどの好調な販売をキープしている。
2台目はスバルインプレッサだ。地味なイメージも否めないが、それでも新しいプラットホームの採用などによる基本性能の高さ、アイサイトや歩行者保護エアバッグの採用といった高い安全性、リーズナブルな価格などを武器に、クロスオーバーのXVも含むと、このクラスの日本車ではプリウスに続く販売台数を維持している。
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今も昔も日本メーカーのビッグ3の牙城を崩すのが難しい。しかし、先述の車のように、普遍性のある新鮮なコンセプトやカッコよさ、リーズナブルな価格、その時代に求められる性能の高さといった強力な武器がある上でうまく売れば、ビッグ3の牙城を崩すのも不可能ではない。
それだけにビッグ3以外の5社には、ビッグ3にはない小回りの利く企業規模の小ささなどを生かした、人々が驚くような車作りを願いたい。
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