ボルボ XC40はサイズの割に扱いにくい
全長は4425mmだから、SUVではコンパクトとミドルサイズの中間だが、全幅は1875mmとワイドだ。最小回転半径も5.7mと大回りで、ボディがせっかく短いのに、街中で運転しにくい。
しかも、着座位置に対してサイドウインドウの下端が高いから、車両に潜り込んだ印象になる。外観を水平基調で仕上げた割には、周囲の死角が大きく、さらに運転がしにくくなる。
後席側のサイドウインドウは後端部分を切り上げた形状で、ボディ後端のピラー(柱)も太い。従って斜め後方の視界も悪く、購入するなら縦列駐車などを試したい。
後席の頭上と足元の空間はさほど狭くないが、座面は短いから、大腿部の支え方が不満だ。座面の柔軟性も不足して、やや平板に感じる。後席の使用頻度が高いユーザーは、居住性を確認したい。
このほかタッチスクリーン式の9インチセンターディスプレイは、慣れないと操作しにくい。
人気HV、アクアは室内空間の狭さがネック
全高が1455mmと低く、後ろに向けて天井を下降させたから、特に後席が窮屈だ。着座位置も低く、膝が持ち上がる。
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半だから、フィットの2つ半に比べると大幅に狭い。
足元が狭めで着座位置も低めだから、乗り降りもしにくい。3~4名で乗車するユーザーは、後席の居住性と乗降性に注意したい。
積載性も不満だ。天井が下降しているから、荷室高が不足した。後席のアレンジも単純で、背もたれを前方に倒すだけだから、広げた荷室の床に段差ができる。
走りに関連した機能では、発売当初に比べて改善を受けたものの、今でも乗り心地が硬い。足まわりの動きに、もう少し柔軟性が欲しい。
サイドウインドウの下端を後ろへ持ち上げて、ボディ後端のピラーが太いから、斜め後ろの視界も悪い。
CX-5は安定性と2Lエンジンの割高感に注意
現行型の乗り心地は、先代型に比べて快適になったが、危険を回避する時などの走行安定性は悪化した。
特に2WDの2.5Lガソリンエンジン搭載車は、良く曲がる代わりに後輪の接地性が削がれやすい。
先代(初代)CX-5の足まわりは、基本的なセッティングを欧州などの海外仕様と共通化したが、現行型は日本専用の仕様になって快適性が優先された。
全長は4545mmに収まるが、全幅は1840mmとワイドで、最小回転半径も5.5mだから、取りまわし性は良くない。ボディ後端のピラー(柱)も太めで、縦列駐車や車庫入れは不得意だ。
ガソリンエンジンは、4WDであれば全車が2.5Lだから動力性能に不満はないが、2WDでは「20S」と「20S プロアクティブ」が2Lになってしまう。
SUVでは走りの良さも大切な魅力だから、車両重量が1500kgを超えるボディに2Lエンジンでは、力不足になりやすい。
しかも、2WDと4WDの価格差は、共通のエンジンを搭載するクリーンディーゼルターボでも、2WDが2L/4WDが2.5Lに区分されるガソリンでも、22万6800円で差を付けていない。
つまり、ガソリンエンジンの4WDでは、22万6800円の上乗せで2WDが4WDに変わり、500ccの排気量までプラスされるわけだ。そうなると2Lの2WDは、動力性能が不足して価格も割高になってしまう。
CX-5やアテンザは、2Lにこだわる法人需要が見込まれる最廉価の「20S」を除くと、すべてのガソリンエンジンを2.5Lにすべきだ。
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