アルファード2カ月連続販売台数ダウン! いよいよ「アルファードバブル」の崩壊が始まったのか?

■「アルファードバブル崩壊」が始まった? 2021年4月、5月の販売動向

 アルファードの自販連(日本自動車販売協会連合会)統計による2020年度(2020年4月~2021年3月)での年間販売台数は10万6579台となり、月販平均台数は約8881台となる。

 支払い総額で600万円も当たり前の高級ミニバンを、“コロナ禍”という大きな社会不安が続くなか、年間で10万台強販売したことについて世間を大いに騒がしたのは記憶に新しい。

 ところが2021年度に入ると、アルファードの販売台数が2021年4月7576台、2021年5月5947台となり、さっそく「アルファードバブル崩壊か」といった話も出始めている。しかし……。

2021年1月~5月のアルファード・ヴェルファイア月別販売台数推移グラフ
2021年1月~5月のアルファード・ヴェルファイア月別販売台数推移グラフ

 アルファードが一部改良を行ったのが4月28日。となるとすでに3月中にはオーダーストップとなり、4月は改良前モデルの新規発注はできなくなっていた。

 改良後モデルについては、正式発表前の予約受注活動はできたものの、新規登録できるのは4月28日以降となり、29日は祝日となるので、改良後モデルの4月中の新規登録(ナンバープレート取得)はかなり限定的というか、ほとんど不可能に近い話(販売店も連休に入ってしまうので)となる。そのため、4月の販売台数のほとんどは、改良前の販売店在庫車となる。

 改良発表まで1カ月を切った段階で、7576台も新規登録かけられるほど在庫を抱えていたというのも驚きだが、あるトヨタ系ディーラーマンに話を聞くと、「アルファードは改良などの直前には中古車だけでなく、新車販売もよく動く(業者が購入し、未使用中古車として販売するケースも多いようだ)」と聞いたことがあるので、意図的に在庫を抱えた販売店が多かったようだ。

 改良直前で、しかも年度末決算セールのなかにあたる3月に約1.4万台販売しておきながら、年度末決算セールの反動で新車がなかなか売れない4月に約7500台販売してしまうところをみると、まだまだ“アルファードバブル”は終わりを見せるどころか、より勢いづいているようにも見える。

 5月の販売台数は4月よりも少なくなっているが、これは5月上旬にはトヨタ系ディーラー各店がゴールデンウイークのため長期休暇をとっており、また登録申請を受け付ける運輸支局もゴールデンウイーク中に連休に入っており、稼働日数が少なかったことがまず要因として考えられる。

 改良が4月28日に発表されているので、本格的な販売促進活動がディーラーの長期休暇明けとなっていることも大きいだろう。また、トヨタの他車ほどではないが、半導体不足による納期遅延が、アルファードでも若干出始めていることも影響しているようである。

■新車販売が活況な勝負の6月を乗り切れるか

 改良後のアルファードの立ち上がり販売動向を見極めるのは、2021年6月単月の販売台数を見極める必要があるだろう。6月は四半期決算月となっており、アルファード以外でも新車販売全体が活況を呈する時期。

 いつもとは勝手が相当違うので、どこまでお祭り騒ぎになるかはわからないが、東京オリンピック&パラリンピックの開催も決まったので、7月は世の中が浮き足立って、新車販売もなかなか先が読みにくくなる。そのため、6~7月に展開される夏商戦では、特に今年は6月に比重を置く傾向も目立っていた様子。

 過去にもアルファードは6月に“ほぼ言い値”で契約したといった話も聞くほど乱売していた時もあった。

 半導体不足の影響で納期が遅れ気味になってきたとはいえ、ヤリスクロスやハリアーなどに比べれば、まだまだアルファードの納期は早いほうなので、セールスマンも利幅が大きく、すぐに実績として反映できるクルマだけに積極的に今後も売り込んでくるはずである。

次ページは : ■まだまだ売れる『アルファード』の販売スタンスに変化なし

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