アルファード2カ月連続販売台数ダウン! いよいよ「アルファードバブル」の崩壊が始まったのか?

■まだまだ売れる『アルファード』の販売スタンスに変化なし

 ディーラーで話を聞くと、「前々からヴォクシーを希望されるお客様に、『“チョイ足し”でアルファードに乗れますよ』とお話すれば、かなりの確率でアルファードを選んでいただきました。

 残価設定ローンを5年プランで組んでいただくと、支払い最終回分の残価相当額分を据え置く時に、残価計算に必要な残価率はアルファードがほぼ50%なのに対し、ヴォクシーは30%を切り20%台になっています。そのため、しばらくはアルファードを選ばれるお客様は減らないでしょうね」とのことであった。

残価設定ローンの支払いイメージ。アルファードの場合は残価率がほぼ50%と大きい(トヨタHPより)
残価設定ローンの支払いイメージ。アルファードの場合は残価率がほぼ50%と大きい(トヨタHPより)

 ヴォクシーは全体で見ると、過走行や内外装のコンディションがあまりよくないなど、“酷使”されるケースも目立つので残価率がなかなか上がらない。

ヴォクシー 特別仕様車 ZS“煌(きらめき)Ⅲ”。トヨタ販売店の全車併売化によって次期型ではノアだけに統合される可能性があるため、ヴォクシーは「ZS」グレードのみの販売となっている
ヴォクシー 特別仕様車 ZS“煌(きらめき)Ⅲ”。トヨタ販売店の全車併売化によって次期型ではノアだけに統合される可能性があるため、ヴォクシーは「ZS」グレードのみの販売となっている

 その点アルファードでは、完済前に下取り査定を行うと、設定した残価率を超えるような抜群のリセールバリューを見せることも多いのだが、ヴォクシー系ではなかなか期待できないので、クルマを酷使しないお客を選んでは、アルファードを薦めていくというセールスパターンも今後変化はなさそうである。

 まだまだ、新型コロナウイルス感染拡大の収束は見えてこず、最低年内いっぱいは感染予防のための、行動自粛が要請されることになるだろう。となると、新車ディーラーもイベントを開催して集客をはかるということもできない。

 2020年度がトヨタ一強であった背景には、政府の度重なる緊急事態宣言などもあり、週末イベントを開催しての集客ができないなか、トヨタの販売力やネットワークを駆使して個別に管理ユーザーへ店頭誘致活動をした成果が大きく貢献しているとのこと。

かつて「販売のトヨタ」と呼ばれていたころから、トヨタ系ディーラーでは“提案型営業”をおこない顧客の信頼をがっちりつかんでいる
かつて「販売のトヨタ」と呼ばれていたころから、トヨタ系ディーラーでは“提案型営業”をおこない顧客の信頼をがっちりつかんでいる

 なので、2021年になってからは、東京及び隣接県などでは、緊急事態宣言や“まん防(まん延防止等充填措置)”などが発出されなかった日のほうがはるかに少ないことを考えると(近畿圏や東海圏、九州なども首都圏よりは期間は限定的だが広範囲に発出された)、少なくとも2021年や2021年度締めでの上半期はトヨタ一強という状況に変わりはないと見ることができる。

 それに大きく貢献する1台がアルファードであることも間違いはないといっていいだろう。

【画像ギャラリー】トヨタの屋台骨を支える1台である 高級ミニバン『アルファード』を写真でチェック!!

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