夏場に欠かせない車の装備といえばエアコンだ。その主流は自動で車内温度を調整してくれる「オートエアコン」だが、商用車などを除いて最近とんと見なくなったダイヤル式のマニュアルエアコンに比べてメリットはある? そして、エアコンの使用による燃費への影響は?
夏本番の今、車内では特に熱中症や脱水症状に陥りやすいため、積極的にエアコンを使いたい。また、体調によっても熱中症等になりやすい場合もあるので、充分にエアコンを効かせることも重要になってくる。
文:永田恵一/写真:編集部、DAIHATSU
オートエアコンは絶対か、その長所と短所
ここ10年くらいの車であれば、乗用車のエアコンは軽自動車を含め廉価グレード以外は、家庭用エアコンと同じように、好みの温度を設定すれば一定に保ってくれるオートエアコンが主流。温度と風量&風向を自分で調整するマニュアルエアコンは少数派となっている。
オートエアコンは、調整の頻度が少なくて済む(推奨できることではないが、車内でエアコンを入れながら仮眠する時などには有難い)、価格帯の高い車になれば運転席と助手席の温度を別に設定できる、操作パネルがカッコいいといったメリットを持つ。
しかし、昔ながらのマニュアルエアコンも以下のような捨てがたいメリットを持っている。
・オートエアコンで25℃ほどの無難な温度に設定しても、体調や服装などで数値的な温度はともかくとして快適に感じなければ調整が必要になり、マニュアルエアコンと比べても操作頻度は意外に変わらないこともある
・マニュアルエアコンの方が微妙な調整ができて有難い時がある(例えるならデジタルに0.1刻みで周波数を調整するラジオより、昔ながらのダイヤル式で周波数を決めるラジオの方が微妙な調整ができて音の入りがいい時があるのと同様)
・価格が安い
これらを総合すると、スポーツモデルなどはグレードによってエアコンの種類が決まってしまうケースが多く、室内が広いミニバンなどではオートエアコンのメリットの方が大きいにせよ、総合的に判断してマニュアルエアコンを選ぶというのも決して悪くない選択と言える。
外気導入と内気循環、夏場こそ使い分けが重要
車のエアコン、というより空調は外気を車内に入れる外気導入と内気循環を切り替えられる。その使い分け方としては以下のようなケースが挙げられる。
◆外気導入
・空気が綺麗な郊外などで外気を取り入れたい時
・空気の入れ替えをしたい時
・後述するデフロストとも関連するが、窓が曇ってしまう時
◆内気循環
・トンネルや先行車が古いディーゼル車など、汚い空気が車内に入ってくるのを遮断したい時
・夏場に駐車した後など、アツアツになった車内を素早く冷やしたい時
また、マメ知識としては、
・高級車になると外気導入と内気循環もオートになるクルマもある
・現代のほとんどの車にはエアコンのフィルターが付いており、花粉の時期には特に役立つ。ただ、オイルフィルターやエアクリーナーのような消耗品なので、たまには確認して汚れているような交換が必要
といったことも覚えておくとよい。
“曇り取り”は使えないケースも!?
エアコンが付いている一番の有難みは、もし「暑さ寒さは我慢すれば何とかなる」と考えるなら、デフロスト(曇り取り)がすぐできる点ともいえる。
デフロストの使い方は簡単で、
1.エアコンをデフロストの位置にセットする
2.AC、氷のマークをオンにして除湿機能を働かせる
だけである。ただ1つデフロストで注意したいのが寒い時だ。
というのは、おおよそ外気温が4度以下になるとエアコンのコンプレッサーの凍結防止のため、コンプレッサーは機能を停止してしまうので、エアコンを使ったデフロストは使えなくなるからだ。
そのため、車に付いている外気温度計などを見て4度以下になってきたら、エアコンを使ったデフロストは早めに諦めて、外気導入で窓の曇りを取ることは頭に入れて欲しい。
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