新車開発でトレンド化しているプラットフォームの共通化は、メリットもデメリットもある!?
近年、多くの自動車メーカーが、プラットフォーム(=クルマの基本骨格)の共通化に熱心だ。トヨタは2015年発売のプリウスから「TNGA」プラットフォームを採用。カローラやSUVのC-HRも基本的には同じプラットフォームを採用している。
また、日産のルノーのように、アライアンス内で共通のプラットフォームを活用している例もある。果たして共通化のメリットとその裏にあるデメリットとは?
文/松田秀士
写真/TOYOTA、Daimler、NISSAN、RENAULT
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そもそもプラットフォームとは? 共通化の「メリット」
プラットフォーム。――クルマの基本骨格の部分を指す用語です。一部のメーカーではアーキテクチャーなどとも呼ばれています。
クルマの車格ごとに共通のプラットフォームを作り、バラエティに富んだボディ(上もの)をフィッティングさせることで複数の車種を効率よく製作することができます。つまりコストダウンに繋がるのです。
その考え方がさらに進んで、主にフロアパネルやエンジンと前輪を含むフロント部分(ミッドシップやRRは中央から後ろ)、後輪を含むリアセクションなどをプラットフォームと指すようにもなってきました。それらを統合した一連の基本骨格も同じくプラットフォーム/アーキテクチャーなどと表現されます。
その昔はフレームとかシャシーなどとも呼ばれていました。筆者も時々シャシーなどと表現することもあります。また最近ではモジュールなどとも表現されていますが、モジュールは、前述したセクションごとのユニットを指すものです。
例えば、トヨタのプリウスなどに採用されるTNGA=トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーがあります。TNGAは次世代プラットフォームなどと解釈されることがあるのですが、もともとは車格に応じたモジュール(ユニット)ごとに開発設計しているのです。
プラットフォームを一体モノとして製作すると車種ごとの細かな対応に手間がかかるので、少し小分けして各セクションのユニットごとに作っておき、モデルに応じて組み替えて製作するのです。
他にフォルクスワーゲン(VW)はMQB(Modulare Que Baukasten)というプラットフォームを採用していますがこれもモジュールで、フロントセクションではアクセルペダルからフロントタイヤ中心軸までの距離がゴルフもパサートも同じです。さらにVWグループのアウディー A3なども共通になるわけです。
同じようなことがトヨタとレクサスにもいえるわけです。コストダウンには大きく寄与しますね。プラットフォームの共有化とはこのようなことが「功」の部分です。
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