2020年11月、日本でも販売が開始されたルノーの5代目ルーテシア。4代目は曲面で構成された官能的なエクステリアデザインが好評を博し、6年連続でBセグの欧州ベストセラーを獲得。2013年~2018年で260万台を販売した。初代からは4世代の累計で1500万台を販売している大ベストセラーカーだ。
そんなルーテシアがプラットフォームから一新し誕生した5代目。Bセグといえばヤリスやノート、フィットなどが競合する日本でも指折りの激戦区だが、その実力はどれほどのものなのか。自動車評論家 岡本幸一郎に、その素性を確かめてもらった。
●新型ルーテシアのポイント
・新設計プラットフォームを採用
・新開発1.3L直4ターボを搭載
・7速に多段化したDCTを採用
・内装デザイン&機能が大幅に進化
・先進予防安全装備の機能が充実
●主な先進予防安全の機能
・歩行者、自転車検知機能付き衝突被害軽減ブレーキ
・後側方車両検知警報
・車線逸脱警報
・交通標識認識
・前方車間距離警報
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※本稿は2020年11月のものです。試乗日:10月28日
文/岡本幸一郎、写真/ベストカー編集部、撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』 2020年12月10日号
■実用性はCセグに迫るレベル
新型ルーテシアは昨年秋の東京モーターショーにも出展され、そう遠くないうちに日本でも発売されるはずだったところ、コロナ禍によりだいぶ遅れてしまったようだが、異彩を放つフレンチコンパクトの上陸を待ちわびていた人も少なくないことだろう。
バン・デン・アッカーによるデザインがいかに秀逸であるかは、先代からのキープコンセプトぶりでも明らかで、ぜんぜん古さを感じさせない。
顔つきや全体の雰囲気が、まさしくメガーヌの弟分になったのは見てのとおりだ。
一方でインテリアはガラリと変わった。
従来型は樹脂パネル等の質感がいまひとつだったりして、やっぱりBセグだよなと思ったものだが、新型は手の触れる部分にソフトパッドが配されるなどして一気にグレードアップしている。
最上級の「インテンス テックパック」にはレザーシートまで与えられているほどだ。
この背景には、大きくなり過ぎたCセグからBセグにダウンサイズする人が欧州でも増えているという事情が影響している。
彼らが不満を抱くことのないように、新型ルーテシアはボディサイズを従来より若干小さくしながらもクオリティは高めたわけだ。
加えて後席やトランクは広くなっているというのもありがたい。
後席はレイアウトの見直しやシートの工夫などにより居住空間が拡大し、トランク容量も大幅に増加して一般的なCセグをはるかにしのぐ391Lを達成したというからたいしたものだ。
外観のイメージは継承しながらも、プラットフォームは日産や三菱とのアライアンスに基づく新規のものに刷新されている。
さらにパワートレーンも、そこにメルセデスを加えたアライアンスで開発された1.3Lターボエンジンに湿式クラッチとなった7速DCTが組み合わされ、走りのほうもかなり変わった。
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