■ホンダ日本国内のブランドイメージが危機的状況に
一方、シエンタはどうなのか。販売店に尋ねると以下のように返答された。
「シエンタは2年ほど前に絶好調に売れた時期があり、欲しいお客様に行き渡った。そこで最近は売れゆきが下がり、むしろヴォクシーが好調に売れている。人気の高いアルファードを目当てに来店され、運転のしやすさや予算の関係からヴォクシーを購入するお客様も見られる」。
シエンタは前述のとおり2015年に発売され、2019年には1カ月平均で9000台以上が登録された。それが翌年の2020年には6000台少々まで下がった。2020年5月から、トヨタの全店が全車を売るようになった影響もあり、2021年以降はヴォクシーやアルファードの売れゆきがシエンタを上まわっている。
つまり小さなミニバンは、ホンダのブランドイメージが変化したこともあってフリードになり、中級サイズ以上では、トヨタのヴォクシーやアルファードが好まれている。
そして直近では、ホンダの狭山工場の閉鎖により、レジェンドやクラリティと併せてオデッセイの販売が終了することになった。ホンダのブランドイメージは、従来以上に小さなクルマのメーカーとして定着していく。
そうなるとホンダの売れ筋車種では、コンパクトミニバンのフリードとコンパクトSUVのヴェゼルが実質的な最上級車種になる。フリードの売れゆきは安定するが、今後はオデッセイのように、アコード、CR-V、インサイトといったホンダの上級車種がリストラされる危うさも感じる。
その意味で先般披露された新型シビックは、ホンダのブランドイメージが偏るのを抑えるスタビライザーの役目を果たす。大切に販売して欲しい。
コメント
コメントの使い方