■人気下火でもワゴンとクロスオーバーは生き残る?
●ホンダシャトル
先代フィットをベースに開発された5ナンバーサイズのコンパクトワゴンで、広い室内を備える。燃料タンクを前席の下に搭載して、荷室の床を低く抑え、荷室長は先代フィットとの比較で約300mm長い。コンパクトワゴンでも、荷室の使い勝手はミドルサイズワゴン並みだ。
また今はワゴンの車種数が大幅に減り、5ナンバー車は、シャトルとカローラの継続生産型となるフィールダーのみだ。その意味でもシャトルは貴重な存在だが、次期型の話は聞かれない。販売店でも「少なくとも2022年3月までは、次期型は発売されない」という。
シャトルの登場は2015年5月だ。先代フィットは6年半にわたって販売されたから、シャトルも、もう少し時間を経過してからフルモデルチェンジする可能性がある。2021年の登録台数は約1300台で、好調とはいえないが、悲観的な売れゆきでもない。
次期型を投入して、コンパクトワゴン市場を支えて欲しい。
●スバルレガシィアウトバック
スバルではレガシィアウトバックが不可解だ。2021年1月に受注を終了したが、その後に何の案内もない。北米では2019年7月から新型アウトバックを生産しており、すでに2年近くが経過した。アウトバックは海外専用車になり、もはや国内で売らないのか?
そこで販売店に尋ねると以下のように返答した。
「今はSUVの人気が高く、レガシィアウトバックを日本で廃止することは考えにくい。2021年の秋から冬に、日本でも発売すると思う。エンジンは、海外では水平対向4気筒の2.5Lや2.4Lターボを搭載するが、日本仕様は1.8Lターボに変更するなど手を加えるだろう」。
レガシィアウトバックは、日本市場から撤退したわけではないようだが、海外での登場から時間が経過し過ぎた。アコードも北米の投入から2年半後に日本で発売したが、遅きに失した印象が強く売れていない。
●レクサスCT200h
ミドルサイズの5ドアハッチバックで、直列4気筒1.8Lのハイブリッドのみを搭載する。プラットフォームは、先代プリウスに準じる。
全長は4355mm、全幅は1765mmだから、レクサス車のなかでもボディは特に小さい。日本の道路環境に適した車種だが、登場したのは2011年だから今では10年を経過する。
2021年の1カ月平均登録台数は約150台で、設計が古く価格が高い割には堅調ともいえる。2020年8月には、パーキングサポートブレーキを全車に標準装着するなど改良も行った。
ただし発売から10年近くを経て、フルモデルチェンジではなく部分的な改良を行うと、むしろ「これで終わりなのか?」と心配になる。
そこで販売店に尋ねると「CT200hは日本で使いやすいコンパクトカーで、LSのお客様がセカンドカーとして購入されることもある。次期型を導入して欲しいが、その予定はない」とのことだ。
ミドルサイズのハッチバックは、海外では乗用車の主力とされてきたが、今はSUVに人気が移っている。ボルボも5ドアハッチバックのV40を廃止して、コンパクトSUVのXC40に特化した。
レクサスにも設計の新しいコンパクトSUVのUXと、電気自動車のUX300eがあるから、CT200hは役目を終えたとも受け取られる。
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