かつて、BMWやメルセデスベンツ、アウディは、日本人にとって憧れのクルマだった。いまでもこれらのドイツ車に憧れる方は多いが、いまと昔とではちょっと事情が違う。
その昔は、日本車とドイツ車の間には、クルマとしての性能に大きな差があった。ブランドステータスはもとより、ドイツ車のクルマとしての高い性能に、多くの日本人が憧れていた。一般ユーザーのみならず国内の自動車メーカー各社も、これらドイツ車の性能を目指して、クルマづくりをつづけてきた。
その甲斐あってか、国産車の性能は飛躍的に向上した。「ドイツ車には勝てない」といわれた走りの性能も、(速度の上限や日常使用領域、道路事情が違うため性能は同じではないが)、高価格帯の国産車であれば、見劣りするものではなくなってきた。
では、現在の国産車は、ドイツ車と比較して、どの点がまだ弱いのだろうか。また、ドイツ車に優っている点はあるのか!?
文/吉川賢一、写真/TOYOTA、NISSAN、BMW、MAZDA、LEXUS
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■先進技術は同等以上
日本国内で販売されているドイツ車には、フルデジタルメーター、大型インフォメーションモニター、ARヘッドアップディスプレイ、電動PKB、先進運転支援などが装備されている。
さらには電動サンルーフや調光イルミネーションといった贅沢機能、他にも電制ショックアブソーバーやエアサスペンション、後輪ステアなどの贅沢装備も満載されている。
しかし、国産車でも、500万円超の高価格帯の国産車であれば、これらの贅沢装備は備わっている。
例えば、V36スカイラインの時代に付いていた4WAS(後輪操舵を含むアクティブ・ステアリング)や、現行V37スカイラインに搭載されているDAS(ダイレクト・アシスト・ステアリング=ステアバイワイヤ技術のこと)などだ。
世界に先駆けて開発した高度な技術を、400万円台のクルマで導入してきたことは、ドイツ車メーカーにとっては(そのシステムの出来に関しては小言もあったであろうが)脅威だったであろう。
これらを考えると、ドイツ車と同価格帯の国産車の先進技術は、同等もしくはそれ以上、といえる。ちなみに、ドイツ車は全グレード贅沢装備が満載、というわけではなく、ドイツ現地では、贅沢装備をはぎ取った廉価グレードが用意されており、そうしたグレードがよく売れていたりもする。
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