■ドイツ車のベストバイはディーゼルターボ、しかしそのディーゼルも…
そのためドイツ車のベストバイは、現時点でもディーゼルターボだ。先代CクラスのC220dは、高速シーンであれば19.2km/Lの低燃費であり、IS300hも真っ青のレベルだ。1600~2800rpmの間で400Nm(40.8kgfm)ものトルクがあり、どこからでも悠々と加速をして進む様子は実に頼もしい。
だがこのディーゼルエンジン(※2018年10月のビッグマイナーチェンジで更新されたOM564)、前期型OM651の「ガラガラ」というノイズから、「ジャラジャラ」というノイズへと若干改善してはいるが、ガソリンハイブリッドの滑らかなフィーリングを期待するとひっくり返るレベルで、ノイズがやかましい。
このドイツ車のディーゼルを凌駕している質感を備えているのが、マツダ3の1.8Lディーゼルだ。
しかも、Cクラスの半額ほどの価格で買える。ディーゼルとは思えないほどに静かでトルクフル、とても扱いやすく、実燃費もめちゃくちゃよい。ドイツ車メーカー自慢のディーゼルであったはずだが、ディーゼル単体の技術力であっても、もはや日本車の方が優れるレベルのクルマもあるのだ。
■国産車が劣っている点は「ほぼない」
メルセデスAMGやBMWのMといったスポーツモデルを除けば、同価格帯の日本ドイツの高級車のハンドリング性能や乗り心地は、良いor悪いの次元の評価はほぼ困難だ。もはや、「ラーメンは醤油か、味噌か、塩か」といった、評価者の好みの問題になりつつあるように感じる。
また、かつての国産高級車が苦手だった高速直進性も、同等以上になってきた。いまでは、300万円クラスの国産車(特に、グローバルモデルともなると)であっても、相当高いレベルにある。
デザインに関しては、筆者は国産車であっても、内外装共に高級感あふれる様になってきたようにも筆者は思う。国産高級車の弱点をあえて言うならば、「ブランドパワーの不足」だけと言ってよいんじゃないだろうか。
国内での500万円以上の高額車のブランドパワーは、どう足掻いても、ドイツ車には敵わない。
なぜなら、日本車メーカーの場合、エントリーモデルから上級モデルまであるフルラインアップというイメージが、高級車の邪魔をするためだ。「所詮はトヨタ、ホンダ、日産の高額車でしょう?」と思われる方が、大半なのではないだろうか。
だが、大切なクルマの中身は、日本車の方がドイツ車に勝っている部分が多いことは、ぜひ知っておいて欲しい。
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