■自動車ジャーナリストが徹底解説! 雨の日の愛車チェックポイント7選
降雨の多いこの季節、普段以上に気をつけて走る必要があると同時にクルマのメンテにもいつも以上に気を遣わねばならない。けど、どこを見れば?? そんな疑問を鈴木伸一氏が一刀両断!!!
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●Check01:まず何よりもタイヤを見よ
タイヤの溝の残量は、雨の日の安全に大きく影響を及ぼすポイントとなる。
水がたまった路面である程度のスピードを出した時、溝の残量が少ないほど排水力が低下、路面をつかみきれずクルマのコントロールがきかなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起きやすくなるからだ。
しかも、雨天時は3mm程の残溝では新品時の倍近く制動距離が延びてしまう。残溝が3mm未満だったら(※)迷わず交換したい。
また、空気圧不足もハイドロプレーニングの原因のひとつに。空気圧チェックも忘れずに!
→タイヤCHECK POINT!
●もし溝が3mm未満(※)になったらすぐ交換!
●空気圧不足では本来の性能を発揮できない。空気圧は要チェック!
※道路運送車両法ではタイヤ溝は1.6mm以上が必要。これを下回ると車検に通らなくなる
●Check02:ワイパーの状態は問題ないか?
ワイパーは動作時、ガラス表面に付着した水滴をラバーで均等に押し潰し、薄い水の膜にすることで視界を確保する働きをしている。
そのため、その水膜の厚みにムラが生じると視界が歪んで前が見にくくなる。その主原因がワイパーラバーの劣化。
ラバーの原材料はご存知のとおりゴムなので、劣化で弾力が低下するとガラスと均等に接することができなくなるからで、経年劣化するため定期的な交換が必須!
梅雨時はワイパー利用頻度が最も高い時期。もし拭きムラを生じるようなら交換しておきたい。
→ワイパーCHECK POINT
●ワイパーゴムは経年劣化する。縮んだりヒビが入ったら要交換!
●もし拭きムラがあった場合も交換しよう
●Check03:フロントガラスは曇りなく、視界は良好か!
雨の日に視界を悪化させる要因は、窓ガラスの内と外の両方にある。
内側は湿気による「曇り」で、原因はガラス表面に付着した汚れの粒子に水滴が集まることにある。
このため、汚れをキッチリ落としておくことが大切。予防策もかねて、曇り止め効果のあるガラスクリーナーで磨いておきたい。
外側は路面から跳ねて付着した油分がワイパーで塗り潰されることで生じる「油膜」によって起こる光の乱反射で、これの効果的な予防策が「撥水コーティング剤」の利用だ。
→フロントガラスCHECK POINT
●内側はガラスクリーナーで予防策を講じておこう
●外側は撥水コーティング剤でしっかり施工。油膜対策を実施し視界不良を防ごう
●Check04:何げにスルーしがちなサイドミラーはバッチリ見えているか??
サイドウィンドウやサイドミラーは目に近い位置にあるだけに水滴の付着で生じる歪みの影響が大きく現われる。そんな状態では斜め後方の安全確認が疎かになりがち。
自分ばかりか他人をも危険な状況に陥らせることになるので注意!
サイドウィンドウやサイドミラーの視界確保を目的とした専用ケミカルが市販されているので、未処理だったら晴れ間を狙って処理しておきたい。
ただし、製品によっては雨粒が付着してからの使用が原則というものもあるので、利用する時は注意したい。
→サイドミラーCHECK POINT
●死角を見えるようにするためのミラー、雨粒で見えなくなったらコーティング剤を使うべし!
●もしも出先で濡れてしまったらタオルで一度拭くのもアリ
●Check05:「このバッテリーも長い期間替えてないなぁ」バッテリーの健康状態はOKですか?
JAFの出動要請の中で常に上位にランクされている「バッテリーあがり」。これは冬のトラブルと思われがちだが、電力消費が増える梅雨時にも起こしやすい。しかも、状況によっては走行中に起きることもある。
発電量より消費電力が上回った時に起きるケースで、ワイパーやリアデフォッガーといった多量の電気を消費する電装を同時に作動させた時の渋滞路が要注意! バッテリーがヘタりぎみだったら迷わず交換しておきたい。
→バッテリーCHECK POINT
●長年交換していなかったり、ヘタりぎみだなと感じたら迷わず交換!
●Check06:何やらエアコンから悪臭が…!??
汚れた空気が蔓延する公道上で使用するカーエアコンは、想像以上に多量のホコリを吸い込む。このため、現行モデルのカーエアコンにはフィルターが設置されているが、家庭用エアコンのように洗浄はできない。
汚れたら交換が原則で、推奨交換サイクルは1年(もしくは1万km)に1回なので注意! 目詰まりすると通気の悪化からエアコンの利きが悪くなり、窓が曇りやすくなったり排気ガス臭など異臭の原因ともなるからだ。
→エアコンCHECK POINT
●カーエアコンにもフィルターが備わるが、これも定期交換部品! 1年もしくは1万km走行したら交換しよう
●Check07:ボディの雨粒はそのままにしないこと!
梅雨時はボディ各部が湿気に晒されるため、普段よりサビの被害を受けやすくなる。このため、ワックス効果が低下して水滴がへばり付いてしまう状態は最悪。
特に、サビの温床となりやすいドア下部の「水抜き穴周辺」やボンネットやトランクの「ヒンジ周辺」、「水抜きレール」といった箇所は要注意!
水分の滞留を防ぐため、ボディコート剤を塗布しておきたい。
→ボディCHECK POINT
●ボディに水はサビの元!
●局所的に水が溜まる箇所はなお注意が必要だ!
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