■GRMNのエッセンスを注ぎ込んだ量販スポーツモデル、GR
ポジションとしては後述するGRの最強コンプリートカーとなるGRMNのエッセンスを盛り込んだ、量産仕様といったところだ。今までにGRがあったのは初代86と3代目ヴィッツの2台なので、GR SPORTに対し、主に加わるそれぞれの内容は以下の通り。
●ヴィッツGR SPORT“GR”(230万3640円)
1)ダンパーがザックスとなる専用サスペンション
2)10速スポーツCVT(ヴィッツRSは7速CVT)。これは普通に乗っていてもアクセル操作に対するダイレクト感が非常に高いのに加え、スポーツモードにするとレッドゾーン付近をキープするためサーキットなどのタイムも速いという、CVTの可能性を感じさせるものだった
●86GR(496万8000円)
1)専用エアロパーツ
2)センターに付く1本出しマフラー
3)専用レカロシート
4)車高を10mm下げ、ダンパーはザックスとなる専用サスペンション
5)フロント6ポットキャリパー+ドリルドローター、リア4ポットキャリパーとなるブレーキ
6)専用トルセンLSD
と、ザックリとした手が加えられる範囲としてはエンジン、トランスミッションといったパワートレーン本体はスペックを含めそのままながら、それ以外はかなり手が加えられ、STIのコンプリートカーで例えるとtSに近いポジションだ。
■GRの頂点に君臨する最強のコンプリートカー、GRMN
GRMNはパワートレーン本体にも大きく手が入れられるなどした限定車となるGR最強のコンプリートカーで、STIのコンプリートカーで例えるならSシリーズに相当する。
過去に設定されたモデルとしてはiQの1.3リッター、iQのスーパーチャージャー、3代目ヴィッツ、2代目マークX、初代86前期型、非売品となる豊田章男社長の移動車としてナンバーを付け公道を走行している白と黒の現行センチュリーがある。
代表的なGRMNのパワートレーンは、
●2代目マークX/3.5リッターV6はベース車にもあるが、6速MT
●3代目ヴィッツ/1.5リッターターボと1.8リッタースーパーチャージャー(しかもそれぞれ日本仕様にはない3ドアボディだ)
●初代86前期型/エンジン本体のチューニングにより200馬力から219馬力にパワーアップ+6速MTもクロスレシオ化(初代86では2人乗り化もされていた)
と特別なものとなっており、2代目マークXと初代86前期型のGRMNのパワートレーンではオプションも含めたルーフやボンネットといったカーボンパネルの採用による軽量化と重心ダウンも行われた。
GRMNは2代目マークXが500万円台中盤、初代86前期型も648万円と絶対的には高いが、限定でないと市販化できないことがよく分かる高い完成度を持ち、特にこの2台は内容を考えれば「安い」と感じる価値があるだけに、購入できた幸運なオーナーには末永く大切に乗ってほしいモデルである。
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