■世界初、オンロード4WDメーカーへの道
4WDメーカーになるきっかけは東北電力の要請を受けて1971年に制作したスバルff-1・1300Gバン4WDでした。当初東北電力は宮城スバルに製作依頼をしたのでした。依頼を受けた宮城スバルは試作車を製作しスバルに持ち込みます。スバルは即座に生産し限定販売したのでした。
東北電力からの依頼が1970年5月。宮城スバルの試作車の完成が1971年2月といいますから、もの凄い開発スピードだったわけです。1971年3月にスバルに持ち込まれ、8月に一次試作車4台のテストが行われ、年内にさらに7台が製作され東北電力と長野県飯山農協と白馬村役場に販売されました。
これがスバルのオンロード4WDの原点となるわけです。
4WDの量産モデルは1972年9月にデビューしたレオーネ4WDエステートバン(FFのレオーネクーペは1971年7月デビュー)からになります。
時系列をたどってみると、1971年の3月に宮城スバルから4WD試作車が持ち込まれてから、1972年9月までわずか1年半で量産モデルが誕生しているわけです。ものすごいスピード感だと思います。
想像ですが、宮城スバルに東北電力から話が持ち込まれた時には、スバル本社にも相談が行くでしょうし、試作の状況を把握していたとしても不思議ではありません。
いずれにしても、短い期間で次期主力セダンであるレオーネに4WDを搭載すること決め、かつ1972年9月にレオーネエステート4WDエステートバンとして量産モデルを発売したのですから、スバルとしてもオンロード4WDの可能性に大きな可能性を見出していたのでしょう。
ちなみに欧州の4WDメーカーとして知られるアウディがクワトロをデビューさせるのは1980年3月のジュネーブショーですから8年も速いことになります。
ともあれ、こんな具合にスバルは世界的にみても珍しい4WDメーカーとなったのですが、その一番根っこの部分には、水平対向+左右等長ジョイントのFFレイアウトがあるんです。これもまたスバルらしいFFといえるのではないでしょうか。
■やっぱりAWDのほうが……
最後に、はたしてインプレッサを買う場合はFFで充分なのか、それとも価格は高くてもAWDがいいのでしょうか。
インプレッサのプラットフォームであるSGPはいろんなメーカーが作っている新世代プラットフォームのなかでも出色の出来だと思います。そのためFFでも走りの質感がとても高いです。
ビタッと路面にタイヤを接地してくれるような安定感と接地感があります。直進安定性、旋回性、乗り心地など、どれをとっても文句がありません。
そういう意味ではFFはあり! なのですが、困ったことにAWDはもっといいのです。たぶん価格差以上にAWDのメリットが感じられると思います。普段走っていて、まったく4WDの重さや鈍さ差を感じないし、それでいて雨が降ると抜群の安定性を発揮してくれます。もちろん雪も。
なので、+22万円差ですが、もし可能ならAWDを選んだほうが少し余計に幸せになれると思います。
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