■乗ってどうか?
結論から書くと、RAV4 PHVは一部RAV4ハイブリッドに及んでいないところもあるが、全体的には価格アップ分を大幅に超える高級感も持つプレミアムRAV4ハイブリッドである。
まず、動力性能などのハイブリッド関係から見ていこう。
普通に乗っているとRAV4 PHVはRAV4ハイブリッドと同じTNGA-Kプラットホームでも、重量増などに対応し海外専売でさらにボディサイズが大きい3列シートを持つSUVのハイランダーなどと同じものを使うことや遮音にも気を使っているのか、RAV4ハイブリッドより全体的に静かに仕上がっている。
また、RAV4 PHVの静粛性の高さにはバッテリーがなくなったハイブリッドモードでも、発進からエンジンが掛かるまでの時間、つまりモーターで加速する領域が広くなっていることも貢献しているように感じた。
RAV4 PHVのハイライトの1つとなる306馬力のシステム出力は、アクセルを深く踏むと、エンジンの存在感薄く、タイムラグもなく、モーターの存在感が強い怒涛の加速が始まる。
RAV4 PHVは速さの必要性はともかくとして、後述する燃費も良く、スポーツカーのような加速力も持つという新しい提案だけで、高い存在意義を持つと断言できる。
ハイブリッドモードでの燃費は常時20km/L以上と、ボディサイズや約1.9トンという車重、速さを考えると花丸である。
ただ、7月後半には最高気温が30度を超えるようになっていたためエアコンや、約1.9トンの巨体を発進させる際の負担はやはり小さくないのか、特に街乗りの燃費はRAV4ハイブリッドにちょっとだけ劣る印象もあった。
また、街乗りでのEV走行可能距離を充電設備がなかったため、チャージモードでバッテリー残量を95%まで溜めたイメージで計測したところ電費6.5km、EV走行可能距離71kmと、こちらは期待以上だった。
RAV4 PHVのEV状態での電費を見ると、来年出るトヨタとスバルが共同開発するEVの電費も期待できる予感がした。なお、実家にRAV4 PHVを返しに行くと、ガレージに借りた際にはなかった200V充電設備が設置されていた(笑)。
ハンドリングと乗り心地は、ハンドリングは床下に大容量バッテリーを積むことによる重心の低さはあまり感じなかった。
それでも重量増に対応し前述のプラットホームや車体がシッカリ補強されているためか、RAV4ハイブリッドに対し約200kg重い点を意識することはなく、ワインディングロードもRAV4ハイブリッド同様に軽快に走ることができた。
ただ、RAV4ハイブリッドに及んでいないのがステアリングフィールと乗り心地だ。どちらも悪くはないのだが、全体的に実によくまとまっているRAV4ハイブリッドに比べるとステアリングフィールはRAV4ハイブリッドほど滑らかではない。
乗り心地も走行約1000kmまでしか確認できていないため、今後慣らしが進んでよくなる可能性もあるが、重量増にダンパーの質が追い付いていないのか現時点では路面の悪いところでゴツゴツ感を覚えることもあった。
RAV4 PHVは素性がいいだけに、現状のモデルでは特に乗り心地を早急に改善してほしいのに加え、乗り心地を確保した上で引き締めたサスペンションやGRヤリスの1.6ターボの4WD系のブレーキを移植するなどしたGRスポーツのようなモデルを600万円でもいいから追加してもらいたいくらいだ。
いずれにしてもRAV4 PHVに対しては私も父も「いいクルマを買った」と確信しているのは共通した認識だ。
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