ノートオーラ販売好調で対照的!? トヨタ新型アクアはまさかのピンチなのか?

ノートオーラ販売好調で対照的!? トヨタ新型アクアはまさかのピンチなのか?

 ハイブリッド専用コンパクトカーとしてデビューし、ヒットモデルとなったトヨタの初代アクア。7月19日に登場した2代目となる新型も当然、同じような売れゆきが予想されたが、販売店の受注状況はちょっと期待外れになっているという。

 その一方で日産のハイブリッド専用コンパクトカー、ノートの派生モデルであるノートオーラのセールスは意外に好調だというのだ。明暗を分けている新型コンパクトカーのアクアとノートオーラの販売事情に迫る。

文/小林敦志
写真/トヨタ、ホンダ、ベストカーWeb編集部

【画像ギャラリー】使い勝手が大幅アップの新型『アクア』とプチエレガントなノート『オーラ』どっちが好みか写真でチェック!!


■販売現場での新型アクアの反応は意外にも……

 トヨタ アクアの新型となる2代目が7月19日にデビューした。

2021年7月19日にデビューした2代目の『新型アクア』。ホイールベースの延長と全高アップで、現行車より室内空間を広く快適にした

 先代モデルは10年間販売され、累計販売台数もかなりのもので、その初代ユーザーが乗り換え母体にもなるだろうから、2代目はデビュー直後から“爆売れ”して納期遅延が深刻なものになるだろうと筆者は考えていた。

 しかし、販売現場で聞いてみると「お客様の反応はいまひとつ」という答えが返ってきた。デビュー直後に聞いた時には、「ケースによっては8月中に納車できるかもしれない」とのことでびっくりした。

 ここ最近デビューしているトヨタの新型車は深刻な納期遅延に悩まされているモデルが目立つ。ヤリスクロスの半年待ちでも深刻なのに、新型ランクル300ではなんと“4年待ち”だという。しかし、新型アクアはトヨタのホームページ内にある、“出荷目処”でも2カ月程度となっている(7月下旬現在)。

■本社から『アクアをもっと売れ』的発言! なにをあせっているのか?

 トヨタのニュースリリースでは、新型アクアの月販目標台数は9800台となっている。ちなみに2017年に行った先代モデルのマイナーチェンジ時には月販目標台数は1万台であったので200台減っていることになる。

 先代のマイナーチェンジでは、同時に“クロスオーバー”が新設定されているが、新型にはそれがないことも影響しているのかもしれない。ハイブリッドだけでなく、ガソリン車もライナップするヤリス(ヤリスクロスは含めない)の月販目標台数は7800台となっている。新型アクアの月販目標台数は先代の販売実績をベースとした意欲的な数字と言っていいだろう。

 ただセールスマンは「初代アクアがデビューした時は、コンパクトハッチバックでハイブリッド専用なのはアクアぐらいしかありませんでした。しかし、いまは当たり前のようにハイブリッド車が同クラスでラインナップされているので、先代並みの販売実績を維持できるのか不安なところは確かにあります」と語ってくれた。

新型アクアのデザインは先代モデルのキープコンセプトで登場した。販売店での受注状況は芳しくなく、積極的に売り込むアピールポイントに乏しいとの声もある

 ちなみにヤリスは正式発売後1カ月の時点で累計受注台数が月販目標台数の5倍強となる3万7000台となったことをリリース発信しているが、現場の空気を感じとる限りでは新型アクアが同じようなリリース発信できるかは微妙な状況にあるようだ。

 前出セールスマンは、「新型アクアは、“これだ”という華がないので困っております。新型バッテリーの採用などで、燃費性能が向上しましたが、そこまで“燃費数値重視”的なお客様はごく少数となりますので、アピールは弱いですね」と話してくれた。

 筆者がトヨタのウエブサイトを活用して、ヤリス ハイブリッドと支払代金の試算を比較すると、アクアが10万円ほど高いだけだった。ヤリスハイブリッドとの明確な差別化もできていないので、「お客様のお好みでどちらかを選んでもらうしかない」とも前出のセールスマンは語ってくれた。

 また「正式発売直前に、どこからの指示なのかははっきりしないのですが、『アクアをもっと売れ』的なハッパを弊社の本社からかけられました。さらに、発表会ではセールスマンひとりにつき最低1台受注するようにとの指示が出ております」とも語ってくれた。

 「なぜ、ハッパをかけてきたのか?」と聞くと、セールスマンは「日産ノート オーラ(以下オーラ)の存在があるようです」と言った。

 オーラはわかりやすくいえば、5ナンバーサイズの日産ノートの3ナンバー版となり、ノートより上質であることが強調されている。新型アクアも、「安っぽい」とか「後席が狭い」などともいわれているヤリスより上質で居住性能が向上していることを強調しているので、オーラとキャラが被っているといっても言い過ぎではないだろう。

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